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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

母国イタリアよりも、アメリカよりも、世界一幸せな国を選んだ男性

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デンマークの首都コペンハーゲンから、第二の都市Aarhusへ向かう列車の中で出会った、とある男性の話。

彼は現在家族4人でコペンハーゲンに住んでいる。郊外に一軒家を持ち、自分のオフィス用に市内にスタジオを借りているとのこと。

「生まれ育ったイタリアでは、仕事2つしていても、家も持てない状況だったのですよ。これではだめだと、12年前にデンマークに移り住むことにしました。幸いプログラマーの仕事が見つかり、結婚もして、今では家も持つに至りました。イタリアではまずかなわなかったでしょう。」

「一時アメリカに移り住むことも考えたのですが。でも、そのメリットが見つからなかった。デンマークは税率が確かに高い。最高税率は65.4%です(アメリカは確か35%ですよね。)でも、アメリカでは医療保険と教育費用にどれだけかかるのでしょう。この国では、税金さえ払えばそれは心配する必要がない。大学は無料どころか、学生に援助金が出るのですよ。」

「アメリカの会社からもらったオファーで、有給休暇が年に2週間と聞いて驚きました。こちらでは、5週間は法律で決められているのです。私にとり仕事と家庭とのバランスをとることはとても大事です。それを犠牲にしてまで、アメリカンドリームとやらを実現する気にはなれなかった。」

彼のこの話を聞いて、私も旦那も、思わず「どうしたらデンマークで働けるようになりますか?」と尋ねてしまった。

決してすべてがバラ色ではないだろうけれど、少なくとも彼にとって、デンマークはイタリアよりも、アメリカよりも、ずっと住みやすい場所のようだ。

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