シアトル探訪9:タコマ ガラスミュージアム
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ガラスアートといえば、さすがにシアトル在住のDale Chihulyは知っているが、お世辞にも、自分に優れた芸術を見る目があるとは思っていなかった。でも、今週末まで出展されていたLino Taglipietraの作品を見て、正直心が震えた。
Lino Taglipietra...1934年、ベネチアン・グラスのメッカ、ムラノ島に生まれる。11歳の時から学校には行かずにガラスメーキングに専念、国際的にも有名だったArchimede Segusoに師事。20代はじめにマエストロの称号を得る。
1979年、英語もしゃべれないのに、Chihulyの運営するPilchuck Glass Schoolに招待されてシアトルにやって来た彼。技術は稚拙だが情熱あふれる学生達に感化され、それまで長年秘伝とされて来たムラノのガラスメーキングの技法を、地元ムラノの非難にも関わらず、惜しみなく教えたのだった。
ワイングラスやシャンデリアといった機能から解き放たれた、純粋なアートとしての彼の作品。一体どうやって作ったの?と、こちらの想像力をかき立てずにはおかないだけでない。その色、光、感触が、見る人の魂の琴線にふれる。
リタイヤした彼はシアトルにも居を構えており、このタコマ ガラスミュージアムのスタジオで、12人のスタッフを従えてガラスブローイングを披露してくれたという。今年は見逃したけど、来年はぜひこの目で彼の作品課程を見てみたい。
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