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スイミー的ギルド、広報女子部を運営する広報女子部 部長がお届けする、明日の日本の広報に役立つブログ。広報は幅が広く、業種や規模によっても大きく運用が異なるので、メインとしてお届けするのは、中小企業向けコンテンツとなります。未来の日本をみんなで作るために、一翼を担う発信ができればと思います!

辞令はある日、突然に。――もしある日、広報に任命されたら?

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令はある日、突然に

 はじめまして。「広報女子部」 部長です。

 わたしが広報という仕事についたのは、2011年6月のこと。ある日、いつものように会社の机に座っていたところ、社長から『広報会議』と書かれた雑誌をハイ、と渡され「リリース書いて」と言われたのがそもそもの始まりです。

 その会社に転職をしたのは、震災後の2011年5月末、社員3名の小さな会社でした。当時の私の希望としては「小さな会社だから、経理とかやってみたい!」という安直な理由。しかし、そこから1週間も立たないうちに、「広報」の辞令。

 もちろん「広報」についての知識はまったくありません。

 当然、「広報」ってなに? という状況から始まります。イメージとしては「あの、テレビに出る人? 商品説明とかして」という程度の情報。
リリースについても「えーっと、記者会見とかする前に配る『報道関係者各位』から始まる文書のこと?」という程度の知識でした。

 とはいえ、マンパワーのない中小企業に「やれません」「できません」なんてものは存在するはずもなく、なんとかしてやらなければいけない。そう思ったのが始まりです。


『午後Tea』事例は、中小企業の広報に活用できるのか?

 とりあえず、社長に渡された雑誌を開いてはみるものの、広報について載っているのは大企業の事例ばかりで、これが一体どのように自社に役に立つのかはまったくわかりませんでした。「きっと何か、何かに役にたつんだろうなぁ......」と、目を細めてみたり見開いてみたり。

 そうこうするうち、社長から「中に"新任広報のためのプレスリリース道場"っていう続きものの記事があるから、これ読んで作ってみてよ」と言われました。その時の号は、確かキリンビバレッジさんの『午後の紅茶』に関する記事でした。

 2年ぐらいたった今でも「あれはたしか『午後の紅茶』だった」と思えるくらい、何度も読みました。何度も読みました...が、そもそもプレスリリースというものが何かもわからないので、『午後の紅茶』のリリースを自社に役に立てる方法はまったくわからなかった、という覚えがあります。

 その他の書籍についても「広報ってそうだったのか!」と思えるものはありませんでした。内容はそれぞれにおもしろくて良いのですが、すべての本が何らかしらの"前提"の上に書かれているような気がして、何をベースに読めば良いのかの価値基準がつかめなかったのです。
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その頃に読んだ『広報会議』とPRに関する書籍の数々。

 

 その後は、書店に行って『広報入門』なんていう分厚い本を手に取り、「これは分厚いだけあって、0から100まで書いてあるんだろうな~。これぞ救世主だ!」なんてワクワクしながらページをめくると、大学の講義で出そうなメディア論だったりして、どうにも自社とリンクのできない膨大な量のコンテンツのオンパレードです。ネットについても、広報としての概論を探すのはむしろ難しく、局所的なコンテンツが多いように感じました。

 「それもそのはず!」と今では思えるのですが、新米の自分には助けと感じられるものがなく、酸欠状態の日々を送っていました。今でも、新米広報にとって何が一番厳しいかというと、この"前提"的な知識にたどり着くことなのではないかと思っています。特に、広報立ち上げの人であればはなおさらです。

「最初の一歩」がいちばん難しい

 最近、他社の広報さんと話をしていた時に「最初、広報会議も宣伝会議も全然理解できなかったんですよね。今はこんなにおもしろいと思うのに」という話をしたら、「最初は難しいんですよね。書いてある内容がどういう風に自分の会社に当てはめられるのか、活かせるか、考えられるようになるまでは大変だと思いますよね」と言われました。また、その方は「一度考えられるようになれば、その後はだいじょうぶなんですけどね~。最初の一歩がつらいですよね」とも。やはり、感じていることは皆同じようです。

 実際のところ、この一歩でつまづいて挫折している人はいっぱいいるんじゃないでしょうか。わたしは、たまたま着任してから数ヶ月で大当たりのプレスリリースがありましたが、ほとんどの会社では社内に1人、あるいは数名しかおらず、相談相手もいないところが広報の切ないところです。

 会社からは「広報なんだから、テレビ呼んできてよ」とか「この雑誌に載りたいなぁ~」なんて言われるのに、試行錯誤して打った施策はうまくいかず、会社の人は「大変だよね~」なんて同情はしてくれるものの、職域は違ったりするので具体的な相談はできなかったりします。大した話をしたいわけでもないけれど、気軽に相談できる相手がいない......。

 「広報」。コトバの響きだけは華やかですが、実際はとても、孤独、です。

広報活動している者同士が集まり、お互い支え合う「広報女子部」は、去年から1年実施しましたが、とても有効な活動であると改めて思いました。

人ごとではないかもしれない、広報への辞令

 実際のところ、広報女子会に参加した人たちは「我社は昨年広報部門が出来て...」とか「まだ広報歴が1年と浅いんです~」という人がほとんどだったりします。意外と、広報部署を置くことにチャレンジしている企業も増えているのかもしれません。

 このブログを読んでいるあなたも、明日は我が身かもしれません。そう、社長が『広報会議』という雑誌を持って......。万が一、そういうケースに遭遇し困ったときには、ご連絡下さい。一緒に悩み、そして考えましょう。

 自分自身もリーダー経験はほとんどないので困難の連続ではありますが、各企業の広報が活躍できれば、日本はもっとよくなる! と思っています。

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