投資家・コンサルタントとしてこれまで経営者と触れあった体験のうち“会社を危険な状態”にしてしまった経営管理方法や経営者の癖などを紹介していきます。在庫問題だと思ったら評価制度や社長の考え方が問題だったなど、実際の話を書いていきます。経営者以外の方にもヒントとなると思います。ぜひ読んでみてください。

PL(損益計算書)黒字教との戦い-その1

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こんにちは、To be Managementの山方です。

「うちは黒字だからお金を引っ張ってくれればいいから!」

コンサルティングの初回面談で第一声がこの言葉だとやっかいです。
事業や財務に問題を抱えているのでコンサルを使おうと考えたはずなのに(外部から押しつけられた場合もありますが・・)、「問題無し」と言ってしまうのですから。

このように言ってしまう経営者のほとんどはある教義にはまっており、この教義がコンサルティングをする際に強い障害となります。
その教義は、「PL(損益計算書)黒字教」です(似たような名前の宗教団体がありますが無関係です)。

これから数回にわけて、この教義の問題や信者との戦いについて話して行きたいと思います。
ちなみにこの教義では、「最終利益(経常利益の場合もあります)が黒字であるならば、全てOK」、という考えです(粗いですが・・)。
最終利益が黒字ならば問題ないのでは?と思われる方が多くいると思います。

そこで話しの都合上、この教義の問題点を理解してもらう必要があるので、今回はPL黒字教の問題点を説明します。
次回以降は戦闘シーン(?)をお話しします。

【なぜPL黒字教が問題か】
「PL黒字教は全ての企業にとって問題のある教義なのか?」と疑問を持つと思います。実際、PL黒字教を信仰して何も問題なく運営されている企業もあります。
では、問題が生じる会社と生じない会社は何が違うのでしょうか?

それは、PLの弱点を理解しているか否かです。

PLは、損益計算書という名前どおりに、損益を計算するものです。
つまり、売上とその売上に付随するコストから利益が生じているかを計算しています。
そのため、PLには主に3つの弱点を持っています。
(1)売上は100%回収できないと計算された利益は生じない
(2) 生じた利益は、あくまで計算上の利益である
   ⇒売上の回収時期や返品等に左右される
(3)売上に付随しない支出は費用として認識されない
   ⇒売れることのない過剰な仕入れをすると、いつまでも売上に付随しないので費用として認識されないが資金は失われたまま


売掛金が焦げ付けば計算上の利益を生むことはありません。
また、過剰な仕入れをすれば、資金繰りが悪化します(売上に付随しない支出なので費用として認識されません。
黒字でも資金が足りない「勘定合って銭足らず」になります)。
システム会社の人件費も開発費として資産計上してしまえば利益も増加します。

では、PLの弱点を理解している企業は、どのように管理しているのでしょうか?

PLだけでなく、BS(貸借対照表)や資金繰り(もしくはキャッシュフロー計算書)をバランスよく管理しています。

PLが黒字であるのは、健全な企業になるには"必要な条件"ですが、それだけでは"十分な条件"にならないということです。

それでは次回から戦いの場にフォーカスした話しをしたいと思います。
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