投資家・コンサルタントとしてこれまで経営者と触れあった体験のうち“会社を危険な状態”にしてしまった経営管理方法や経営者の癖などを紹介していきます。在庫問題だと思ったら評価制度や社長の考え方が問題だったなど、実際の話を書いていきます。経営者以外の方にもヒントとなると思います。ぜひ読んでみてください。

コンサルタントの使い方~フィーを無駄にしないために気をつけること~

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こんにちは、To be Managementの山方です。

今回は「コンサルタントをうまく使う方法」について話をしたいと思います。私自身、コンサルタントとして仕事をしていますが、コンサルタントを使ったこともあります。コンサルタントを使う側、コンサルタントとして使われる側の経験から、「コンサルタントはうまく使えば期待以上の結果を出すことができますが、使い方を誤ると結果が出ないだけでなく害が生じる」、と言えます。これまでコンサルタントを使ってもうまく行かなかった、これからコンサルタントを使うことを考えている方はぜひ続きをお読みください。フィーを無駄にしないために気をつけることをお教えします。


【そもそもコンサルタントとは?】
まずは、コンサルタントやコンサルティングの定義を見てみましょう。
コンサルタント:企業経営などについて相談を受け、診断・助言・指導を行うことを職業としている専門家。
コンサルティング:専門家の立場から相談にのったり指導したりすること。また、企画・立案を手伝うこと。
出所:大辞泉(Yahoo)

コンサルタントの定義は、専門家の立場から相談を受け、助言をする人のようです。元々は、最近のコンサルティングファームのように企業に戦略や手法を売り込むことではないようです。もちろん、システムを売ることでもアウトソーシングでもないようです(結果としてシステムやアウトソーシングを使う場合は別だと思います)。


【コンサルタントの間違った使い方】
経営者や企業が間違ったコンサルタントの使い方をするのは、間違った関係や見方をコンサルタントにするからです。以下が典型的な間違った関係(フィーを無駄にしてしまう)です。
(1)コンサルタントに丸投げをする(意思決定をしない)
   ⇒コンサルタントは"経営リスク"は負いません。コンサルタントの指示に従って結果が出ても必要なノウハウなどは会社に残りません。
(2)コンサルタントは"解答"を知っていると思う
   ⇒学校のテストではないので唯一絶対の解答はありません。経験からくる勘所や解答を考える方法論があるだけです。解答だけを求めるとコンサルタントから得られる"分析"や"計画立案"など価値のあるノウハウが得られなくなる。
(3)コンサルタントに嘘をつく(隠す)
   ⇒コンサルタントは他の企業も見ているので財務資料等や社内の雰囲気から嘘に気付きます(経営者はごまかせていると思っているようですが)。コンサルタントは上司や先生ではないので怒りません。変な心配をする必要はありません。
(4)フィーをケチりすぎる
   ⇒高いフィーを出す必要はありませんが、フィーを出し惜しみすると思うような結果が出ずに高くつくことになります。コンサルタントは、どこに頼んでも同じコモディティーではないので、安く使うことを目的とすると結局成果が出ずに高くつくことになります。例えば、同じSWOT分析であっても、コンサルタントのレベルにより戦略に大きな違いがでます。


【間違った使い方をする人の特徴】 
コンサルタントをうまく使えない経営者や会社は、以下の特徴があります。
(1)自社の状況を理解していない
   ⇒自社しか知らない経営者や会社は、客観的に自社を見ることが苦手なようです。第三者が見るより自社の状況を"甘く"見ています。第三者からみると"危機的状況"なのですが、自社しか知らない経営者や会社は"まだまだ大丈夫"と信じています。
      似たような例は、自社(自社の属する業界)を特別であると信じている経営者や会社でも起こりえます。面白いことに「自社(自社の属する業界)が特別だ」とおっしゃる方に限って他業界への転職経験がありません。自社(自社の属する業界)しか知らずに特別だと言える納得できる理由を一度も聞いたことがありません。
(2)自社の現状が今までの積み重ねであることを忘れている
   ⇒時代の変化や自社の成長(規模の拡大)により"今までのやり方"が合わなくなったことを理解していません。販売低迷や財務の悪化によりコンサルタントを使うことを決めたはずですが、やり方を変えることに抵抗します。
(3)社員を無能だと思う
   ⇒社内に答えがあることが多いのですが、経営者や会社が社員を無能だと思うとその答えを引き出すことができません。せっかくの答えを見ないで、他社事例に答えを求めます。経営者が社員を無能だと思っていることは社員に伝わるので、社員は改革に本気で取り組みません。
(4)依頼心が強い
   ⇒全て相手任せなので改革・改善はうまくいきません。全てに相手に任せることが、そもそも自分の存在意義(経営者として、社員として会社が雇用する)を否定していることに気付かないようでは新しい取り組みはできません(やってもらっているだけ)。思いつきだけで実現性のあるプランを作れない方に良く見られます。このような経営者や会社はコンサルティングとアウトソーシングの区別がつかず、最後は実験台にされます。
(5)面倒くさがる
  ⇒ひと手間加えることが面倒くさい方は、そもそも改革・改善ができません。この"面倒くさがり"が原因となっていることが良くあります。
(6)自分を基準に考えてしまう
  ⇒営業出身の経営者は営業面以外を、技術出身の経営者は技術面以外を軽視する傾向があります。特に営業以外はやってこなかった、技術以外はやってこなかった経営者は、この傾向が強く原因個所を見逃してしまいます。


【コンサルタントをどうやって使うべきか】
コンサルタントは、"○○業界の専門"と言っても、多くの場合クライアント企業ほど業界に詳しくはありません。もちろん業界出身者や特定の業界を専門に活動をしているコンサルタントは業界全体の構造などに詳しいのですが、なにぶん自分が身を置いた期間から時間が経過しています(つまり古い!業界大手から転身したコンサルタントに多い)。また、業界の見方も過去のコンサル先の立場からみた業界なので、立場や状況が異なる今のクライアントに合わないことがあります。

それでは、どのようにコンサルタントを使うかですが。コンサルタントの強みは、"第三者"であることです。過去のしがらみやタブーがないため、問題の範囲に制限がありません。そこで、"自社とは違う視点"や"消費者目線"で意見をもらうことです。そして、徹底的に"自社本位の視点"を捨てるべく他社のやり方やコンサルタントの経験を学ぶことです。また、コンサルタントの第三者という立場をうまく利用して、自社視点(自部門視点)にこだわる人を説得するのも手です。ただし、コンサルタントが本当に第三者であるという前提がつきます。

自社製品が売れないのも「自社視点の仕様や価格、売り方」ですし、在庫が減らないのも「自社都合や担当者都合の業務のやり方」です。社内の営業部門と管理部門の対立など典型的な自社視点(内向きな視点)です。

コンサルタントに依存せず、うまくコンサルタントを使って目標を達成してください。
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