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コンバット・ロック(後編)

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コンバットロック発表から2年、ミックジョーンズの脱退後に発表されたラストアルバム「カット・ザ・クラップ」は、クラッシュの作品というよりジョーストラマーのアルバムという色合いが強く、まったく引っかかりのない作品だった。
では、ミックジョーンズのパーソナリティによるところが大きかったのかというと、彼中心に立ち上げた新バンドBAD(ビッグオーディオダイナマイト)についても、ペッパー抜きのカルボナーラのような締まりの無い味付けで、CDを買ってはみたものの、ほとんど聴くことは無かった。
おそらく、弁証法ではないが、音楽性・価値観が似て非なる2人を中心に、お互いに高めあい、方向性を模索していく中で次々と完成度の高い作品を残していったのだと思う。

数年前のロッキンオンの読者投稿コーナーで、中学生からの投稿で「クラッシュファンでいまロンドンコーリング聞いています。」というのがあったが、時代を越えた普遍的な価値づくりの成果かと思った。ハマースミス出身のリリー・アレンのお父さんもクラッシュファンで、彼女も少々時代からクラッシュを聴いて育ったようだが、世代を越え、オリジナル楽曲の伝播とDNAを引き継いだ若手アーティストの提供する楽曲への連鎖はこれからも続いていく。

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先行シングルの「ディス・イズ・イングランド」の売上以外は商業的に惨憺たるものであった。ジョーンズの不在と、ヒードンの解雇により、『カット・ザ・クラップ』はストラマーのソロアルバムとみなされている。このアルバムの最大の欠点は、ストラマーがバンドに幻滅を感じていたこと、そしてストラマーの両親の相次ぐ死が彼を深く落ち込ませていたことである。ストラマーは後に、このアルバムとの関連を否定した。1989年のインタビューで彼は新メンバーについてこう語った。「奴らのことは時々考えるよ。奴らの人生が台無しになっていなければいいけど」

結局、このアルバムは旧メンバーも含めた純粋なクラッシュファンからはクラッシュ史に存在しないものとされており、ドキュメンタリー映画『ウェストウェイ・トゥ・ザ・ワールド』でも触れられていない。

カット・ザ・クラップ. (2009, 11月 19). Wikipedia, . Retrieved 14:17, 6月 10, 2010 from http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97&oldid=29081488.

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