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プロジェクトの異変への初動 そして初動を逸したら

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プロジェクトでは遅延やコストオーバーなど様々なことが発生します。そもそも、計画通りにすべての物事が進むことは稀ですので、予定外のことが発生した場合に、どのように対処するかという初動が重要になります。

プロジェクトが火を噴く場合には、プロジェクトの難易度、プランの詰めの甘さ、要員数の問題のみではなく、初動の遅れが大きい原因として挙げられると思います。つまり、プロジェクト管理体制をどんなに綿密に組んでいて、要員を多数配置していたとしても、問題の兆候を把握して、初動を掛けることで修正や沈静させるという作業が的確に行われることで、最終的にプロジェクト全体に与える影響が変わります。

初動に失敗して火を噴き始めた時に取るべき行動はいくつかありますが、まず重要なことは現状と原因を把握することです。火を噴いている状態で立ち止まることを躊躇する場合が多いですが、ブレを的確に修正しないまま、対処療法を積み重ねても結果は好転しません。まずは、問題を分解して一つ一つ論理的に原因を究明し、対策を立てていくという作業が必要になります。

よくありがちな対応として、「こうなってしまったからには、現状で出来ることだけ考えよう」という結果をスタート地点として、これまでの経緯を把握しないまま、先に進もうとする考えです。原因究明のみに時間を費やす必要はありませんが、この考えはあくまでも対処療法です。対処療法を確実に根本対策に変換するためには、必ずそうなってしまった原因、その原因に対する対処を並行して行わない限り、また同じ問題を引き起こします。

そうならないためにも、まず初動で火の元を消しておくこと、そしてもしも燃え上がっても対処療法だけでなく、必ず原因を追究し、対処療法が抜本的な対策となるように打ち手を精査すること、この両方がプロジェクト管理者として必要なのではと思います。

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