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ビッグデータ狂騒曲② 「そもそも大量のデータを一生懸命分析する必要があるのか」

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ビッグデータを分析・活用した効果が雑誌等でおもしろおかしく取り上げられています。最近ではほぼ毎週何らかの新しい記事が出ている状態です。確かにNHK等でも取り上げられているように、大震災の時の車や人の動きなど、末端からのデータの集合体を分析することで初めて発見されるものもあります。日本ではあまり取り上げられていませんが、ハイチの大震災の時にも裏ではSMSを活用したデータ収集と、その分析結果からの公共機関との連携に関して試みが行われ成果を上げています。

その一方で、企業はどうでしょう。確かに華々しく事例として語られているものがありますが、本当に大量のデータを分析することでしか得られなかった知見や発見でしょうか。実は、データ分析は単なる手段の一つであり、もっと重要なことは市場や消費者を徹底的に見切ること、つまり自己相似性を持って市場や消費者を理解することにあり、偶然データ分析と結びついているというのが実際だと思われます。

国友隆一氏の「セブンイレブンのおにぎりは、なぜ、一日400万個も売れるのか」の中で、非常に重要な指摘をしています。以下引用しますと、

『データを分析し、活用することは重要です。しかし、活用しているのに、なかなか結果に結びつかないのはなぜでしょう。今この時点で、何に最も着目し、何を優先すべきか。その見極めができず、判断を誤ってしまうからです』

つまりビッグになるまで一生懸命属性やソースを取りそろえ、トランザクションを蓄積して、単に数学の知識で分析することでは何の解決にもならず、まずは市場や顧客のインサイトを考え、その補強として(ある場合には反証として)データを分析・活用するアプローチが必要ということです。

最新のハーバードビジネスレビューにネスレ日本の高岳社長が「消費者はデータからは見えない」というアーティクルを書かれており、その中でも消費者のインサイトの理解の重要性を説いています。またP&Gもデータ分析の横で、模擬店舗に消費者に来場してもらい行動観察を徹底的に行い、インサイトの研究を行っています。御立尚資氏も「経営試行の補助線」の中で有名な「おむつと缶ビール」の話に触れ、”レジの近くで消費者を観察していればわかること”と指摘しています。

安易にデータ分析を行い、その結果に頼るよりも、まずは解っていることから推測を深め、行動観察や調査で仮説を検証することが重要だと考えます。エクセルで行う簡単なデータ分析で解ることも沢山ありますし、経験上高度なデータ分析は多くの場合は不要だと思います。

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