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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

笑顔、笑顔の新入社員。「ニコニコさん」はお得。

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10年ほど前、パフォーマンス学で有名な佐藤綾子さんの講演を聞いたことがあります。その時、佐藤さんは、こんなことをおっしゃっていました。

「最近の若者、たとえば、学生とか新入社員という年代は、表情を変化させないので、見たままでは”理解しているのか”それいじょうに”聞いているのか”わからないことが増えた。こういう”非言語能力欠損症”といったタイプが増えたのは、少子化などの影響で、子供のころから”表情を変化させる”訓練(体験)を積んでこなかったことが原因ではないか」

当時、私も似たようなことを感じていたので、「なるほど、なるほど」と多いにメモを取った記憶があります。

3-4年前の話。 ある人事の方が、「新入社員が、こちらの説明を聴いているんだか、聴いていないんだかわからなくて、あまりに無表情の無反応なので、不安になり、何度も同じ説明をしてしまう。こりゃやってられない、と思い、”反応する練習”をさせたんです。何か言ったら、”はい”と返事する、といった簡単なことですけど」とおっしゃっていたことがあります。

「それでどうなりました?」
「反応させるようにしたら、それだけで非常にやりやすくなって。反応すべきだ、ってことをわかってなかったみたいなんですよねぇ」

・・・。

そうか、新入社員研修で、最初に「反応する練習」を人事がする、という時代かあ・・・。

そして、去年、今年。

この就職難の時代に入社してくる新入社員たちは、全く違うんです。

とにかく、「にこにこ」そしてよく「反応する」!

笑顔であいさつ、プレゼンでも自己紹介でも笑顔。
こちらの話は、きちんとうなずいたり、メモをとったりして、「反応がなくて大変だ!」と思っていた数年前までと大違い。

もちろん、「はい、と返事しましょう」くらいのことは、入社式直後に教わったかもしれません。でも、すぐそれを実践しているのだから、大したものです。

今年は、どちらにお邪魔しても、人事の方が「にこにこしているんですよねぇ」「反応があるんですよ」とおっしゃいます。

色々な苦労を経て就職戦線を勝ち抜いた方たち。笑顔ではきはき、がたとえ「スキル」上のことだとしても、それでもいいと思うのです。

だって、スキルとしてだって「にこにこ」できない人、たくさんいますから。(中高年でもしかり)

不機嫌オーラは、自分を毒するだけではなくて、周囲にも「不機嫌菌」をまき散らします。
一方、「笑顔」オーラは、自分の気分をアゲアゲ↑↑にするだけでなく、周囲にも「ハッピー菌」を振りまいてくれるもの。

眉間にしわを寄せがちなマネージャ。不機嫌が板につきすぎたベテラン社員・・・。などなど。

新入社員を見習って、今からでも「ニコニコさん」に。

「ニコニコ」しているだけで、絶対に三文は得します。


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話変わりますが、新入社員研修でお客様先にお邪魔すると、オフィス内で昨年の新入社員の方たちと遭遇することがあります。

「あ! 今年も新人研修ですか?」
「おおお、お久しぶりですー」

と満面の笑みで声を掛けてくださいます。こちらも「ニコニコさん」。

皆さん、2年目になったばかりですが、もうすっかり「オトナの顔」「しっかりした表情」になっている。とても頼もしい。

「新人にビシバシやってくださいね」などと早くも”先輩”の発言も。これは微笑ましい。

4月に1-2週間一緒に過ごしただけの関係ですが、こうやって1年ぶりにお目にかかって、元気ではつらつとしたたたずまい、あるいは、笑顔を自分の目で確認できることは、本当に幸せなことです。

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