記録するジャーナリズムから、測って確かめるデータイズムへ

猫にマタタビの市場調査をさせる電通?電通ダイバーシティ・ラボ調べ、日本のLGBTは8.9% という茶番

»

日本のLGBTは8.9%という調査が電通から出たそうです。

2015年調査の7.6%から上昇した。同社は「LGBTに関する情報の増加と理解の進展が背景にある」と分析している。

と分析しているのですが、元ネットレイティングス社長で、トランスコスモス株式会社 海外事業統括 理事 エグゼクティブリサーチャの萩原雅之氏の指摘の通り、過大な推計である可能性が大いにあります。調査の数字自体は多寡を論じにくいのですが、調査方法で ネットリサーチのスクリーニング調査(6万人) を元に算定していることが問題と指摘されています。

スクリーニング調査は「本調査の対象者になりたい人が答える」というバイアスが働いてしまいますからね。スクリーニングという本来の使い方に限定すべきなんです。

と補足説明いただいたように、関心がある人が集まるスクリーニング調査で日本全体の比率を推定してしまう調査手法そのものが問題です。

スクリーニング調査とは、調査対象者を見つけるためにふるいにかける予備調査であり、シナジーマーケティングの解説にあるように

例えば、コンタクトレンズを販売する際の前提として、目が悪くなければ、製品を使用する機会は少ないいと言えるため、コンタクトレンズについてのアンケートの場合、「目が悪いかどうか」といった質問を行う。

というような調査対象を集めるための予備調査のことです。

どうやって調査対象を集めたのか詳細は不明ですが、6万人を集めたネット調査とだけありますけど、6万人の回答を得るために、例えば、50万人にEメールで依頼して回答者での比率を調べた、とかだとLGBTの調査に回答した人というバイアスが働くことになります。日本全体での比率を推定するという調査なら、無作為抽出してLGBTへの関心有無に関わらず調べないと比率は分からないはずで調査方法に根本的な問題があると言えそうです。

FireShot Capture 195 -  - http___www.dentsu.co.jp_news_release_pdf-cms_2019002-0110.pdf.png

この調査、そもそも、調査主体が 電通ダイバーシティ・ラボ というLGBTが増えてくれることに利害関係がある団体なのが問題です。LGBTへの理解がある専門団体だからそのインサイト(内面)が分かるとかいう調査ならいいのですが、ニュースになったのは日本のLGBT比率です。利害当事者のお手盛り調査という可能性があるデータを親会社の電通の名前で出してしまうその問題を電通の関係者は理解しているのか疑問です。

猫に小判ならぬ、猫にまたたびの市場調査をさせて、成長しているとかいわれても、それが恣意的なものじゃないか?と疑問を持たないのはデータに対する真剣さが足りないのではと思わされます。

もちろん、LGBTの動向を調べるのに、予備調査=スクリーニング調査をして、その上で比率をコントロールした上で本調査に臨むことは否定しません。ただ、その本来の調査の予備調査の性質を理解せずに、

  • LGBT層に該当する人は8.9%、「LGBT」という言葉の浸透率は約7割に

なんていうサブタイトルをプレスリリースに付けちゃう電通はデータ調査を舐めているのではないか?そう思わざるを得ません。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する