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Ustream番組をはじめるにあたって、知っておくべき9のノウハウ

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本日開局のLooops.TVアドバイザーでもあるショコラさんから、大変緻密で実践的なUstream運営方法を伝授いただきました。ぜひ多くの皆様とシェアしたい素晴らしい内容なので、ご本人の快諾をいただき、ここに公開させていただきます。

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2/1にLooopsTVを開始されるとのこと。これまでの江東区地域UST「YUKKIYのモダチャン」などの経験から、シェアできることをまとめました。新規UST開始時に留意した方がいいと思われることです。

技術的なコトとか機材選びについてはいろいろ本も出ているので、その他系(笑)USTの特性をどう生かして、みんなにこういう番組あるよって知ってもらって、どうコミュニケーションしたら、伝えたいことが伝えられて、会話できて、また来てもらえるのかな?って視点が主です。

主観的な意見も入っていますが、ゼロからUST番組にトライしてみた経験談として、ご参考までに〜☆ココは違うんじゃない?とか、こんなのもあるよ〜とか、ご意見あれば、ぜひぜひ!
  
 
1. 番組コンセプト(視聴者との対話の方針)
 
動画配信としてのUstreamの特徴は、YouTubeなどと違い、ソーシャルストリーム付きで、視聴者(TL)の反応を見ながら番組を進めることができることにあると思います。
一方、同時視聴者数の数、リアル視聴者数の有無、番組の性格などから、まず、これから始めるUSTがどのコンセプトにあたるかを、考えることが大切。
  
1) 同時視聴者が何万人にもなるような番組
リアルタイムでTLを確認し、応答することは難しいです。
この場合、大きく2種類の対応があります。

1-1) TLと適時対話を行うケース
TLの確認担当を別途配置し、TLの中から特にQAコーナーなどで取り上げた方がよいものをセレクトし、司会進行の係りに伝え、一部でも対話を取り入れるケース。(大規模イベント、企業の大規模USTなどに事例) このケースでは、会場にソーシャルタイムラインが参加しているムードを出すために、バックスクリーンにTLを表示したりすることも多くみられます。(ツールは、USTのソーシャルストリームのURLまたは、TweetBubblesなどが一般的。企業USTの中では、会場に映し出すのは、Tweet全てではなく、フィルタリングしたものを出すケースもあるようです)

1-2) TLとの対話は行わない方針のケース
(大規模なコンサート配信に事例) 舞台のアーティストは全く、TLを見ず、歌や演技に集中。ただ、この場合でも、アーティストに代わり、USTの開始や、楽曲の名前、視聴できないという方へのタイムラインサポートなど、裏方の対応役がいた方がBetter。
 
2) リアルな講演会場で会費有料の観客がいる中、UST「も」するような場合
(有料セミナー、有料イベントなど) この場合、どちらの観客を優先するか、主催者は方針を決め、開始前にコメントすることが望ましいです。ひとこと最初にコメントするだけで、全くTLや観客の反応が変わってきます。長時間のUSTで、途中からの視聴者がいる場合は、途中で再度アナウンスすることが望ましいです。(有料セミナーでなくても、質問は会場とUSTとどちらを優先するかなども決めておきましょう。)どちらを優先するかの判断基準は、会場とUSTの観客のどちらが多いか、会場観客は有料かが判断ポイントとなります。

3) USTのみで、会場観覧者がいない場合 (いちばん多いケース)
1)のように視聴者数が圧倒的に多い場合を除いて、USTの視聴者(特にUST慣れしているユーザ)は、Tweetした内容を読み上げてもらったり、質問に答えてもらうことを非常に喜び、そのお礼や喜びのTweetがさらにTwitter内で新たな視聴者を呼ぶ効果があるばかりか、継続的な「ファン」になっていただく第一歩となります。
(とはいえ、番組の進行上、全てのTLを読んだり、答えたりすることが、時間的に難しかったり、その場で即答できない場合もあります。その場合は、司会進行者とは別のTL担当者が、番組と並行して、または、番組後に、回答が必要なTweetに答えたり、お礼したりすることが望ましいのではと思います。)
 
2.他メディアとの連携方針策定
 
2-1) USTとする関係するメディアとの情報連携、補完、位置づけ
USTREAMの標準的な画面で表現できる情報は限られています。よって、USTのチャンネルの告知だけに留まらず、ソーシャルストリーム(Twitter)からの拡散効果、公式アカウントからの補足情報、事前事後のフォローアップなどを考慮し、Twitter、Facebookファンページ、公式Web,Blogなどをどう連携するかのグランドデザインは考えておいた方がよいです。

☆下図は連携の参考

Chart1

UST以外のソーシャルメディアも含めた連携
 
2-2) UST番組説明画面からの誘導
USTREAMの番組ページの映像の下の欄には、USTの管理者IDにて、Amazon等の商品リンクを2つ設定できます。その下は、番組説明欄ですが、通常はテキスト入力のみとなります。

Chart2

USTAsiaへの申請*で、「おすすめ番組」になると、HTMLの記述が可能になります。
(Facebookファンページのバッジなども、貼ることができます) 申請先は7.参照。

3. 番組の構成、タイムスケジュール作成

番組の内容、構成、場面ごとの出演者、所要時間などのタイムスケジュールを決めます。可能であれば、その都度、どういう絵や音質が望ましいかメモしておきます。また、iPadでの視聴を必要するかどうかもポイントです。(それにより、カメラ数、機材、配信方法が変わります。予算もあらかじめ決めておくと、機材購入の場合、配信を委託する場合もスムーズです。)

なお、本番組の前後30分をどう活用するかを決めておきます。一般にUSTの配信は安定するのに30分かかると言われています。無音声でも、本番30分前には配信テストができるようにしておきましょう。

また、配信後も、終了後、すぐに配信を切るUSTに味気ないと思う視聴者は多いようです。配信後のほっとした表情や、片付け、記念撮影、撤収ストリームもUSTならではの味です(^o^)

4. チャンネル/番組、公式アカウント、ハッシュタグ等の登録

4-1) 配信チャンネル
配信を外部委託するにしても、新規のUSTアカウントを取り、チャンネルを持つことをおすすめします。(後々、アーカイブを移行するのは、非常に手間がかかります)

USTのチャンネル名はわかりやすい英字で短めで覚えやすいものにしましょう。

◇USTWEET
http://ustweet.net/

Chart3

USTチャンネルを決めたら、こちらのサイトに登録すると、自動でTLを記録してくれます。日別のTLから、RT、返信、リフォローなどができ、分析ログも見れ、現在は無料で、オススメです。 7-2)参照

4-2) 番組設定
◇タイムライン(ソーシャルストリーム)の設定
番組の「その他の設定」メニューを選択すると、下のような画面になります。

Chart4

●Twitterアカウントかハッシュタグを選択できますが、ハッシュタグをお勧めします。(Twitterアカウントにすると、本当にメンションすべきTweetが埋れてしまうことになりがちです)

●チャットかソーシャルストリーム、両方を選べますが、通常はソーシャルストリームを選びましょう。(デフォルトはチャットになってますので、切り替えを忘れずに。
両方にした場合、配信者は一度に両方を見ることはできず、切り替える必要があります。Viewer、書込みの多い番組では、どちらかひとつを選択された方がよいと思います。)
 
◇タイトル設定
初めての方にはわかりにくいのですが、番組情報画面の右上にある「ライブ配信」ボタンを押しましょう。(いきなり配信されることはないので、思い切って!w)

Chart6

このような画面がポップアップされるので、この空欄にタイトルを入力をし、「アップデート」ボタンを押すと、反映されます。

Chart7

実際の配信はこの画面の下にある「配信を開始」をしないと始まりませんので、ご安心を。

◇ハッシュタグ
ハッシュタグを決めたら、他で使われていないことを確認のうえ、ハッシュタグ登録サイトに登録してきましょう。

◇ハッシュタグ・クラウド
7-2)参照

◇Twitter
ハッシュタグjp など

◇番組説明
番組情報メニューから登録します。

※ 告知(6以降のプロセス)の前に、USTチャンネルの設定は済ませておくことをお勧めします。理由は、告知を受けて、リンクからUSTチャンネルを訪問してくださった視聴者予備軍をがっかりさせないためです。オフライン中もなんらかこのページから情報を得て、Liveに来てみようと思ってもらえるようにすることが大切。(オフライン中はスライドショーまたはアーカイブを流しておくこともできます)

5. 事前に用意すべき素材の準備(音楽、ムービー、写真、テロップ、主要TL)の確認

番組の構成が決まったら、事前の素材を準備します。

5-1) USTでの楽曲利用の注意点

Chart8

Ustreamでは、JASRAC、イーライセンス、JRCと音楽著作権に関する包括契約締結しており利用者は、使用した楽曲をUstreamに報告するだけで、利用者自身が許諾を取ることなく、「歌を歌ったり、楽器などを用いて演奏する事」が可能になりました。

その一方、音源を用いて、「BGMとして利用したり、DJプレイなどを配信する」場合、一般的に多くの曲が許諾の範囲外になります。 利用可能な曲は、こちら(JRCサイト)から検索できます。上記以外の著作権・著作隣接権の権利処理は利用者自らが許諾を取る必要があります。

http://www.ustream.tv/jp/copyright/1

5-1) 配信素材の準備
配信ソフトにUstreamProducerproなどを使う場合は、カメラ画像以外に、音楽、ムービー、写真、デスクキャプチャーなどを事前に取り込み、切り替えることができます。テロップを出す場合は、番組の構成に合わせて事前に作成します。
(番組開始当初は、番組の名前、出演者の名前、Twitterアカウントなどをテロップまたは、スタジオに名札など用意しておくと、視聴者に親切です。)

ムービーや画像などは、番組構成で、出演者の出入り、スタジオの準備などの場面で使うと効果的です。スイッチングは慣れないと、難しいですし、現状、切り替えが頻繁すぎるとProducerProがフリーズする不具合が出ることが多いので、ほどほどが望ましいようです。

6. カメラ/音声等機器、MC用TL確認PC、会場観覧者向け機器構成、必要スタッフの割り出しと分担

1〜5を受けて、必要な機材、当日のスタッフ配置と分担をします。初回は、本番数時間前に集合し、シナリオの読み合わせとリハーサルをすることが望ましいです。(ボランティアで配信などをお願いする場合も、重い機材を運搬するのにかかる車代、駐車場代などは、できれば負担するなどの配慮が望ましいです。負担できない場合は、事前にその旨、了承を得ておいた方がいいです)

7. 番組表への登録、同時間帯の他番組のチェック

1) 最新のUSTREAM関連情報
三上洋さんの記事に詳しく説明されています。ぜひご一読を!
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101213/1033919/

2) モダチャンでの番組表登録で調べたもの
(7月時点での利用)は以下リンク参照。
http://www.facebook.com/note.php?note_id=118278584891339&id=123821970997268
(現在、サービス停止、申込方法が変更になっているものもあるので、ご注意ください)

3) USTトップページバナーの申請
こちらのURLから、TOPページバナーの掲載依頼ができます。
http://www.tv-bank.com/jp/ustream_banner/form.php
(掲載されるか否か、掲載されたことは知らされませんので、祈るしかありませんが、
UST界のご意見番的な方へのRT協力、ファンページ投稿など露出が多いと、採用される確度があがるような気がしますw)

4) USTのイベント登録
USTサイトの番組設定からイベントの登録が可能です。

5) (あれば)Facebookファンページのイベント登録、招待
Facebookのイベント登録機能。開催場所は観覧者募集でない場合は、USTのURLを記入し、当日の現地観覧が不可の場合は、その旨、記述します。友人全員の招待も可能ですが、スパムと思われないよう、送信者を限定した方がよいかもしれません)

8. リハーサルでの検証と、UST番組の説明欄の最終化、配信時のTL事前準備

当日、または事前にリハーサルをし、カメラ位置、現地で、想定外だった場合の対応をします。(モニター用PCが不調だった場合や、テロップが出ない場合、写真やムービーなどの紹介、カンペなどなどいろんな用途があるので、iPadはとても便利です。無ければ、ホワイトボード、スケッチブックなどを用意します。)

ゲストがいらっしゃる場合は、(できれrば事前に)紹介すべきプロフィール、告知URLなどをいただき、TLの準備をします。大物女性ゲストなどの場合は、カメラのアングルや、スポットライトなどにこだわりがある場合があるので注意ですw

番組のシナリオに沿って、配信中、参照いただきたいURLなどは、100文字程度におまるよう、事前にbit.lyなどで、短縮URLなどを用意しておきます。(Bit.lyはアカウント登録により、後ろの文字列指定ができるので、頻繁に利用するものは、この機能が便利です。)

9. 番組告知活動、ゲスト紹介、RT依頼

番組表などはあっても、Twitterでの影響力のある方からのRTや、ゲストからのRTは、視聴数に大きな影響力を持ちます。スパムにならない程度に、告知は、数日前、前日、当日は時間を置いて複数されるのをお勧めします。(その場合、同じ文言で告知するのでなく、告知内容を少しづつ具体的にしていくなど、読む側が次の情報を知りたい、見て謎の部分を知りたいと思うようなTweetだと、ウザく思われないポイントかもしれません^o^)

告知する番組のURLはTweetしやすい「短縮URL」をおすすめします。また、ハッシュタグも必ず合わせて告知しましょう。USTREAMの画面を見ずに、ハッシュタグだけで番組の様子を見て下さる方もいらっしゃいます。(会社でUST閲覧が禁止されていたり、閲覧出来ても音を出せなかったり、移動中の電波状況などからハッシュタグ検索でTweetだけ追いかけるという方は意外といらっしゃるようです。)

短縮URLは、配信チャンネルのソーシャルストリームから実際にTweetしてみると、取得することができます。正しく設定されているかの確認もかねて、必ず告知前にTweetしてみることをおすすめします。例:(#modachan live at http://ustre.am/kMEd)
 
  
お知らせ)
アジャイルメディアさんの アルファブロガー・アワード2010 にノミネートいただきました。
もしよろしければ、愛のクリックをいただけるとハッピーです!
=> In the looopノミネート
 

お知らせ その2)
本日19時より、Looops.TVが開局します。初回ゲストはさとなおさんです!
=> 【お知らせ】2月1日19時、Ust番組「Looops.TV」を開局します。初回ゲストは佐藤尚之さん

 

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