オルタナティブ・ブログ > In the looop >

海外ソーシャルメディア事例を徹底的に調査し,マーケティング活用の秘訣を提案するブログ

iPad予約前にチェックすべき3つのポイント - 3Gは日本が世界最安(税込)らしい

»

ついにソフトバンクがiPad販売をアナウンスした。予約開始は5月10日だ。

ただし4月28日にドコモ山田社長からはiPad向けSIMカード販売への強い意欲が示されており,その行方が気になるところだ。

NTTドコモ: iPad向けSIMカード販売へ (毎日jp)

 
■ ドコモの出方をチェックする


ますこの点につき,興味深い分析記事があったので紹介したい。

ズバリ,本当にドコモからiPad向けプランは登場するのか? (iPhone FAN)

このブログ記事では,次の4パターンのシナリオの可能性が検討されている。

  1. ドコモ版SIMロックiPadが出る。
  2. 日本でもSIMロックフリーiPadが出て、これでドコモのSIMが使える。
  3. 海外のSIMロックフリーiPadで、ドコモのSIMが使える。
  4. ドコモ版iPadプランは登場しない。

今ツイッター上では,10日までのドコモの動きについて活発に意見交換されているようだ。

ツイッター: 「ドコモ iPad」リアルタイム検索結果

 
■ iPad SIMフリー版を求め海外に ~ 各国iPad端末価格を比較する

米国等,海外で発売されるiPad 3Gは基本的にSIMフリー版のようだ。ただし「micro SIM」という新しい規格のため,対応しているキャリアが少ない(米国ではAT&Tのみ)というのが現状だ。ところがソフトバンクのiPadはSIMロックされている。

iPad ソフトバンクが販売へ SIMロック設定 (Yahoo)

で,気になるのは日本のAppleストアから発売される?iPadがSIMフリーかどうかだが,これはネット上でもさまざまな意見が出ている。この点,実際に銀座アップルストアに問い合わせして確認した記事がオルタナブログで出ていたので,気になっている方はぜひチェックしてほしい。

アップルストアのiPadはSIMフリーなのか? (有縁千里来相会)

結論から言うと「現時点ではわからない」とのことだ。

なので,もしドコモがmicro SIMを販売するのであれば,海外各国のiPad価格も気になるところだ。その点で,イタリアのブログメディアが,iPadが発売になる9ヶ国の価格比較表を作成しているのでご参照を。

A confronto tutti i prezzi internazionali dell’iPad (setteb.it)

Ipad_3
【クリックで拡大できます】

イタリア情報なのでユーロ換算(黄色)されている。また丁寧に各国の消費税など(tosse locali)も加算されており,実際にユーザーが端末を入手するために必要な金額が計算されている。

消費税について補足を。EU加盟国は消費税率を15%以上とするよう定められており,イタリア 20%,フランス19.6%などと高水準。また米国は州,郡,市が個別に課税(ニューヨーク市では8.25%)しているため単純比較が難しい。日本の5%はかなり低税率だ。

ちなみに個人輸入について,複数のブログで詳細が書かれている。そのうち一部を紹介したい。

iPadを手に入れた!ドキドキ個人輸入で11日間、63,836円 (本質思考道場)
iPad 3G 個人輸入のまとめ (Butinekoの世界)
iPadを個人輸入しました/少し使ってみて感想 (bonar note)
iPadを個人輸入しようとして酷い目に遭った件 (福井プログラマー生活向上委員会)

 
参考まで,米国のAppleサイトにあるiPad価格表,日本のソフトバンクが発表したiPad価格表は次の通りだ。

Ipadus1
【Apple 米国価格表】

Ipadjp1_2

【ソフトバンク 日本価格表】

各国の比較表を見ると,3Gモデルは(消費税も考慮すると)日本が一番安く入手できる国のように見えるが,月額プランを考えると単純ではない。その点を詳しくチェックしてみよう。

 
■ ソフトバンク月額プランの注意事項はよく読みましょう。


例えば米国AT&Tの月額プランは次の通り,シンプルでわかりやすい。例えばデータ量無制限で月29.99ドルだ。

Ipadus2

それに対して,ソフトバンクの発表した月額ブランは複雑だ。

1.データ定額プラン
月額4410円(税込),ただし最初の24ヶ月だけ2,910円(税込)。また月額315円のウェブ使用料は別途必要だ。それと注意事項(下記)がかなり曲者。iPhoneもそうだが,キレイに解約できるタイミングは2年後のわずか1ヶ月間だけしかなく,それ以外の場合は契約解除料 9,975円が発生してしまう。そのタイミングを2年間覚えておかなくてはいけないのは正直うっとうしい。その他制約があるので注意する必要がある。

【注意事項】
・ 海外でのご利用は定額の対象外
・ 2年契約(自動更新)。更新月(契約期間満了の翌請求月)以外の解約等には契約解除料(9,975円)が必要
・ 通話、アクセスインターネット、SMS、S!メール/MMSは利用不可
・ 大量のデータ通信を伴うような特定のWebサイトへの接続を通信速度を制限する場合あり

2.プリペイドプラン(一ヶ月ないし1GBに達するまで)
月額4,410円,ただし利用上限1GBに達したらその時点で4,410円が発生するというプラン。こちらも315円のウェブ使用料は別途必要になる。またこのプランでもデータ定額プランと同様の制限がかかっている。

プリペイドプランにはもう一つ,上限を100MBとした1,510円方式もプレスリリースでは発表されているが,ソフトバンクの料金プランページでは後日掲載とされているので,別の制限がつく可能性がある。

ソフトバンクに限らないが,日本の携帯料金システムはなんでこんなに複雑でわかりにくいのかとため息がでそうだ。AT&Tの提示と比較すると雲泥の差だ。消費者の立場になり,米国AT&Tのようにすっきりシンプルに提示できないのだろうか。切に改善を要望したい。 


【追記】
ソフトバンクを選択される場合,プラン選定で詳しい解説があります。ぜひこちらをどうぞ。
選べる3つのプラン。ソフトバンクのiPad向けプランをチェック!! (iPhone Fan)
「iPad Wi-Fi + ポケットWi-Fi」 という選択肢について詳しい解説が出ました!あわせてチェックを。
どっちがお得!?iPad3Gモデル vs Wi-Fiモデル+PocketWiFi (iPhone Fan)
 
 
 
以上,5月10日の予約をする前にチェックすべき3つのポイントをまとめてみました。

さて,あなたはiPadを購入しますか?(よろしければアンケートをどうぞ)

結果はリアルタイムに集計され,いつでも閲覧可能です。
iPad購入のご参考にしていただければと思います。

(注) このブログはIT系イノベータ/アーリーアダプター比率が極めて多い(例えばブラウザ比率で言う と,Firefox32%,IE23%,Chrome21%,Safari12%と一般比率と大きく異なっています)ので,一般より相当高めの購入意欲率となることが予想されます。その点お含みおきください。



【スマートフォン・タブレット関連】
iPadアプリ「オムニグラフ」,発売1ヶ月で早くも売上2250万円突破! (5/7) 
iPad,発売28日間で100万台達成とAppleが正式発表。初年度販売台数は700万台超か? (5/3) 
国内外スマートフォンの最新動向を総まとめ - iPhone vs Android の先に見えるもの (4/26) 
HTML5のインパクト ~ それを巡るAppleとGoogleの呉越同舟 (2/8) 
Google vs Apple vs Microsoft ~ ひと目でわかるモバイルOS戦争の構図 (1/3) 


【自薦記事】
位置情報サービスで注目される14アプリ総まとめ。 Foursquare,Gowalla,Yelp,コロプラ,ぐるめくじ,セカイカメラ・・・ (4/6) 
ループスのB2Bフリーミアム・モデル ~ 自社ソーシャルメディア活用とその効果を公開します (3/31) 
プレゼンテーションZenに学ぶ 「プレゼンはシンプルで行こう」 (2/22) 
米国ザッポス「顧客にWOW!をお届けする」奇跡の経営,その本質を探る (12/5) 



斉藤Twitter。ご連絡などお気軽にどうぞ。 http://twitter.com/toru_saito
ループス社Twitterアカウントはこちらです。 http://twitter.com/LooopsCom
最新の筆者著書です。 『Twitterマーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール』

Comment(5)