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驚異的バイラルで話題騒然, Chatroulette [チャットルーレット] が凄い件

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すでにメディアハブ(2/14)やTechWave(2/15)でも紹介されているが,驚異的な勢いでバイラルしているビデオチャットサイト「Chatroulette:チャットルーレット」について,その概要やユーザー属性,トラフィック状況など,現時点で入手できる限りの情報を集めてみた。

とにもかくにも凄いのはその急成長ぶりだ。昨年末に300人程度だったユーザーが今や20万人,特に今月に入り複数のネットメディアに取り上げられて以降は世界中でバズりまくっている。

Chart1

GoogleTrendsによる成長カーブはこんな感じ,2009年前半のTwitterを彷彿させるようなバイラルが巻き起こっていることがわかる。

  
■Chatroulette[チャットルーレット]のサービス概要

サービスはいたってシンプル,世界中の人とランダムにビデオチャットできるサービスだ。この動画を見ていただければ一発で理解できる。

ボタンひとつでどんどん相手が変わってゆく。英語が必要だが,しゃべらないで眺めているだけの人も多いようだ。

NewYorkTimesによると,17歳,モスクワ在住ロシア高校生Andrey Ternovskiy君がクリエーターだ。キッカケは彼がいつもビデオチャットしているSkypeに飽きたこと。世界中の見知らぬ人とビデオチャットできたら楽しそうという純粋な思いで開発したようだ。

急激にトラフィックがあがったが,親戚が資金援助してくれたため,ドイツにサーバーを7台おいて運用している。ゆくゆくは米国で企業化したいと考えているようだ。彼の話を聞く限り,いたって純粋な動機ではじめられたサービスで,ビジネスなど考えてもいなかったようだ。現在の収益源はサイト最下限にあるAdwordsの4リンクだけ。彼はとにかくシンプルさを大切にしており,広告も最小限にしたいとのこと,この感覚はTwitter創業者に通じるものがある。

Bitschatrouletteblogspan

 
■トラフィックの状況

まず注目したい点は国別シェアだ。Google Trendsによると,なんと中国が米国を凌いで1位になっていること。メディアに報じられたのは米国ネットメディアだが,なんらかのキッカケで中国でバイラルしているのだろう。(このまま成長すれば規制が入る可能性が高いだろうが)

Chart2_2

 
続いてこのサイトの流入元と流入先をCompete(米国内のアクセスのみを対象)で見てみよう。

Chart3_2

左が流入元(Refferring,どこからChatrouletteに入ってきたか),右が流入先(Destination,Chatrouletteからどこへいくか)であるが,これを見ると明らかにFacebookとの親和性が高いことがわかる。つまり米国の場合,Facebookがクチコミ発生源となってこの驚異的バイラルが発生しているであろうことが推測される。Twitterユーザーが少ないのは年齢層(Chatrouletteはおそらく若年層が多いことが予想されるため)が関係しているかも知れない。

 

■ユーザー層について

さらに注目されるのはユーザー層だ。調査会社Hitwiseが発表した 記事 によると,英国におけるChatrouletteのユーザー層を他のWebcamサイトと比較すると,明らかに上流階級が多いことがわかったのだ。

Chart5

左側にあるAからKまではユーザー分類,その右がChatrouletteにおける比率,さらに右が一般Webcamサイトにおける比率,一番右が一般Webcamサイトと比較したChatrouletteの比率だ。

Chatrouletteに存在する確率が多いユーザーを見ると,「Alpha Territory」(高級住宅街に住む富裕層)がなんと一般Webcamサイトの3.4倍!とダントツで位となっている。続いて「Professional Rewards」(郊外に住み快適なライフスタイルを楽しんでいる仕事で専門エキスパート),「Liberal Opinions」(都市部に住む教育レベルの高い若年層)と続いている。もしこの傾向が続くようであればChatrouletteは広告媒体としてのビジネスチャンスも高いと言えそうだ。

ちなみに英国における平均滞在時間は7.5分だ。急成長度合いは群を抜いており,すでに英国では全サイトの中で1189位,Webcam系サイトのみ見れば,Justin.tv についで2位に位置したとのことだ。

Chart4

 

以上,Chatrouletteに関する現時点で調査可能なデータを洗い出してみた。


現時点では出会い系的な異性交流が主となっており,危なそうなユーザーも散見される。ただし問題あるユーザーを通報できる仕組みは取り入れており,開発者Ternovskiy君もできるだけ健全なサービスにしてきたいとの意向があるようだ。(中にはツールを使ってストリーミング動画をYouTube上にさらしている危険なユーザーもいるので,くれぐれもプライベート情報などには気をつけてください)

当然ベンチャーキャピタルも動きだしている。Chatroulette自体は極めてシンプルな構造で,そこまで付加価値があるのか疑問に思う声もあるだろう。しかし振り返ってみると,YouTubeは仲間内で簡単にビデオを送信しようと作られたシンプルなサイトが出発点だし,Facebookも元はといえばハーバード大学の仲間内SNSだ。大切なことは差別化された複雑な仕組みではなく,ユーザーの熱中度とそれによるバイラル強度である。そしてネットワーク外部性(利用者が増えるほど利用者の利便性が増す特性)により,集まったユーザー自体が決定的な差別化要因となるのだ。

VCマネーが流れ込み,派遣された有能なCEOによって管理系が強化されれば,メガクラスのソーシャル・サイトに大化けする可能性すら感じさせるサービスだ。またChatrouletteが普及すれば,この上でインディーズバンドや若手タレント,お笑い芸人などの個人的なプロモーションが行なわれ,草の根でスーパースターを生みだすようなインフラになるかも知れない。

世界中から類似サービスは生まれることも予想されるが,意外とビジネス活用もありなのではに思う。筆者がパッと思いつくのは,(1)婚活サークルにおけるクローズ会員向けサービス (2)語学スクールにおける付加価値サービス (3)シルバー世代に対する話し相手ご紹介サービス などだろうか。

ただし日本において男女を完全に分けてサービスする場合には出会い系サイト規制法にかかる可能性があり,その場合は届け出が必要となるのでご注意を。


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