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ものづくりのヒントは、『「製品開発」ではなく「市場開拓」』。そして「絶対に勝つ!」という強い執念

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「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」(NHK取材班、宝島社)を読んでいます。

2012年10月27日、28日にNHKスペシャルの同名番組で放映された内容を書籍化したものです。

コンテンツは1年前のものですが、今こそ読むべき内容だと感じました。

 

この中で、中国ハイアール・張瑞敏CEOの考え方が紹介されていました。

「ものづくりとは何か?」を考える上で、大きな示唆があると思いましたので、ご紹介します。

---(以下、p.176から引用)---

....開発者に『君は製品を開発しているわけではなく、市場を開拓しているのだ』と教え込んでいます。これを理解させるのは非常に重要だと思います。

 一般的に言えば、開発者は『私の仕事は新商品を開発することだ』と思いこみやすいものです。この製品にはこういった性能、こういった機能があり、非常に立派な製品だと自慢しやすいのですが、消費者がその機能を求めているのか、そこまでは考えが及んでいないかもしれません。
 
 そこでハイアールでは、開発者に『あなたの仕事は新商品を開発するのではなく市場を開拓するもので、消費者のニーズを正確に把握すること』と認識させています。そのために、開発者と営業部隊に意志の疎通を図ってもらうことにしました。新商品を開発する前に、まずは営業部隊と一緒に市場に出て、消費者が求めているものを理解することに努めてもらっています。
 
 ---(以上、引用)---

『「製品開発」ではなく「市場開拓」』という考え方は、とても重要だと思います。

 

このことは、昨晩(2013/11/17)の同じNHKスペシャル「成長か、死か~ユニクロ 40億人市場への賭け~」を見た時も感じました。

この番組では、グローバル展開を急ぐユニクロの取り組みを紹介していました。

ユニクロのグローバル戦略の一つが、「ベースオブピラミッド(BOP)」と呼ばれる世界最貧国市場への進出。そこでバングラディッシュに進出しています。

「最貧国の一つバングラデシュでビジネスを成功させることができれば、アフリカなど世界中どこでも商売ができる」という戦略です。

当初ユニクロは、自社デザイナーがバングラディッシュの女性の嗜好にあったカジュアルウェアを開発し、商品として並べます。しかし全く売れない現実に直面します。

多くのバングラディッシュの女性は、適価(900円--日本の感覚で18000円)のカジュアルウェアは買わず、たとえ高価(2000円--日本の感覚で4万円)でも気に入った伝統的衣装を買ったのでした。

リモートテレビ会議で報告を受けた柳井社長は、「バングラディッシュの女性たちに受け容れられる伝統的衣装を開発すべきだ。たとえ失敗しても学び続け、成功するまで考え続けろ」と指示を出します。

市場開拓のために、あえてこれまでの製品開発戦略を否定したのです。

デザイナーは、現地女性の家庭のクローゼットを回って調査します。そしてカジュアルウェアがクローゼットの中にはほとんどない現実に驚愕します。

さらにユニクロ・バングラデシュでは、あえて自社開発を保留し伝統的衣装を仕入れて顧客の好みを探っていきます。

まさに、「製品開発」でなく「市場開拓」に活路を見いだしているのです。

同時に、ユニクロの「絶対に勝つ」という強い執念を感じました。

 

ものづくりのヒントは、『「製品開発」ではなく「市場開拓」』。

そして「絶対に勝つ!」という強い執念にある。

二つのNHKスペシャルのコンテンツを見て、改めてそう感じました。

 

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