欧州ビジネス協会・鉄道委員会様で「グローバルコミュニケーション」の講演をさせていただきました
9月13日の夕方、広尾にあるヨーロピアン・ハウス(駐日欧州連合代表部・事務所)で、欧州ビジネス協会・鉄道委員会様主催により、欧州の鉄道機器メーカーとJR東日本様・JR西日本様・東京メトロ様との会議が行われました。
この最後に20分のお時間をいただき、
『グローバルコミュニケーション -- 日本と欧米の違い』(Global Communication - difference between Japanese and Western -)
と題して講演させていただきました。
私は日本IBMに30年間勤務し、主に米国中心に、欧米と日本の様々なコミュニケーション・ギャップを経験してきました。
それは英語力の違いだけでなく、考え方の違いも大きいと思っています。
現在、東洋経済オンラインに連載中の『ストーリーで学ぶグローバルコミュニケーション力』も、そのようにして学んだことを書いています。
今回はその中から、特に意志決定の違いから来るコミュニケーション・ギャップについてお話ししました。
講演で、ステージでお話ししている様子です。素晴らしい会場でした。舞台左袖には欧州・鉄道メーカーの方々、舞台正面と右袖には日本の鉄道会社の皆様が座っておられます。
講演後、懇親会があり、色々な方々のご意見を伺いました。
日本人の方々からは、有り難いことに「参考になる」とご感想をいただきました。
一方で欧州の方々からは、「大変面白いけど、『欧米流』と言っているのは米国寄りの話ではないかと思う」とのご指摘もいただきました。
あるドイツ人の男性は、「日本では想像できないかもしれないけど、私達は数十Km離れると、話す言葉が違う環境だ。多様な人種がいる。イタリア人・ドイツ人・フランス人では、気質も考え方も全く違う。それに自分たちから見ても、米国流には違和感を感じている。そもそも英語はネイティブじゃないし」とおっしゃっていました。
またあるフランス人の女性は、「『欧米社会』と一括りにされるのは、正直違うかなぁ、という気もする。日本人も、中国人・韓国人と一緒に一括りされて議論されたら嫌でしょ?私達も同じ」とおっしゃっていました。
私もIBM在職中、20代前半に10カ国位から人が米国に集まって1ヶ月間一緒に仕事をしたことがありますが、実に多様な考え方をしている方々ばかりでした。
ですので、欧州から来られた方々の意見は「なるほど」と実感するとともに、「グローバルコミュニケーションの本質は多様性の受け入れ」なのかな、と再認識した次第です。
日本ではなかなかこのように言いにくいことを率直に教えてくれることは少ないものですが、このようにはっきりとフィードバックをいただけることに、誠実さを感じました。本当に有り難いことです。
それにしても、このようなことは、実際に情報発信してみないとわからないことですね。
改めて、積極的な情報発信の大切さを実感しました。
今回、この講演をすることになったのは、このブログでグローバルコミュニケーションについて書いていたのがきっかけでした。
このような機会をいただき、感謝です。