「泣き落とし」が米国人に伝わらない理由。そしてごく稀にある、米国人が「泣き落とし」で来た場合にどうするか?
米国人と交渉する際に、
「これができないとどうしても困る。だからお願い」
と泣き落としモードで交渉する場合があります。
日本人同士ならば「しょうがないなぁ」ということで交渉が成立する場合があります。
しかし相手が米国人の場合、この方法で交渉してもかなりの可能性で負けます。(稀に交渉成立する場合もありますが)
いくらこちらの状況を詳細に説明して、困った状況を伝えても、相手からすると"so what?" (で、それがどうしたの?)なのですよね。
実際に"So what?"とあからさまに言われることは少ないですが、本音はそんな感じです。
泣き落としモードが伝わらないのは、単にこちらの努力不足または力不足と受け取られてしまうからです。
それは、米国ではロジックで議論が成り立っているからです。
ですので、本来は
1.今、どういう状況で、課題は何なのか?
2.困っている理由は何なのか?
3.解決策の選択肢はいくつあり、それぞれの選択肢の評価はどうなっているのか?
4.そして提案している解決策がなぜよいのか?
を、ロジカルかつシンプルに説明する必要があるのです。
これをすっとばして2.と4.をいきなり説明しても、なかなか相手に伝わらないのですよね。
実際には、1から4を順番に考え、かつBATNAを確保した上で、最終的に4の提案を落としどころに交渉に臨めば、泣き落としモードにならずに、優位に交渉を進められることも多いのです。
面白いのは、実は稀に米国人がこちらに「泣き落とし」で交渉してくる場合があることです。恐らく「日本人だと通じる」と期待してのことです。
こういう場合はチャンスです。
ロジック最重視の米国人が泣き落としで来るのは、間違いなく相当困ってのことです。
だから”So what?"と冷たいことは言わず、便宜を図り、対応しましょう。相手も人間です。お互いの関係が格段に強化されます。
これができるのが日本人の強みなのですから。