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「関西に住む全ての人はタイガースファンだ」は当然間違い。でも企業の中の意志決定では、全く同じ間違いをしているケースがある、という話

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ロジックは大事です。

しかし、私たちは意外とロジックを踏まない議論をしていたりします。

 

例えば、下記の議論は、どのように間違っているでしょうか?

A.関西に住む全ての人はタイガースファンだ
B.鈴木さんは関西に住んでいる
C.従って、鈴木さんはタイガースファンである

そうですよね。「関西の人が全員タイガースファンの訳はない」ので、A.が間違っています。

この議論は、次のような構造です。

【前提】A.関西に住む全ての人はタイガースファンだ
【事実】B.鈴木さんは関西に住んでいる
【結論】C.従って、鈴木さんはタイガースファンである

前提と事実から、結論を導き出しています。もし前提と事実が正しければ、このロジックでは結論は正しいはずです。しかし前提が間違っているので、結論も間違っています。

 

では次はいかがでしょうか?

A.強い商品がないと、売れない
B.我々には強い商品がない
C.だから強い商品を開発しよう

実はこれは、先の「関西に住む全ての人はタイガースファン」と同じことなのです。

この議論も、次のような構造です。

【前提】A.強い商品がないと売れない
【事実】B.我々には強い商品がない
【結論】C.だから強い商品を開発しよう

もし前提と事実が正しければ、このロジックでは結論は正しい筈。実際に、この議論に基づいて商品開発をするケースは多いと思います。

でも、売れません。なぜでしょう?

それは売れないのは、必ずしも強い商品不在が理由ではないためです。

実際、強い商品がなくても売れているケースもありますし、逆に強い商品があっても売れていないケースもあります。売れない理由としては、商品力以外に、販売力やマーケティング力、販売店施策、顧客ニーズの把握、人材育成など、様々な要因があります。

つまり前提である「強い商品がないと売れない」が、「関西に住む全ての人はタイガースファンだ」と同じ話になっているからです。

言い換えると、課題の分析が甘いのです。

本来は「売れない理由」について、「なぜ」を5回繰り返すことが必要ですね。

 

「関西に住む全ての人はタイガースファンだ」と言われると「そんなの間違いだ」と一笑する我々は、企業の中で問題分析をする際に「強い商品がないと売れない」という前提で、間違った意志決定をしがちです。

 

ロジカル・シンキングには様々な方法論があります。それらはとてもオーソドックスなものですが、ともすると日本のビジネスパーソンはロジカル・シンキングに弱いように思います。

このようなトラップに陥りらないようにしたいものです。

 

またコミュニケーションがロジカルに組み立てられているグローバルコミュニケーションで日本人が苦戦するのも、この辺りが多いように感じます。

今後グローバル化が進んでいく中で、ロジカルシンキングを学んでおくと、色々と役立つことが多いのではないかと最近思っています。


 

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