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ブログをまとめただけでは本を書けない。ではどうするか?

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2008年、私は初めての著書「戦略プロフェッショナルの心得」を自費出版しました。

本書を書くのはとても大変でした。

 

当時は当ブログを書き始めて2年が経過した時期。マーケティングを中心に累計投稿数も500件を超え、そのうち数十件以上はてぶされたエントリーも何件かありました。「これらをまとめたら、すぐに本になる」と考えていました。

そこで1ヶ月ほどかけてブログの全投稿を棚卸しし、整理分類してテーマごとに並び替えて再構成し、一通り書き直しました。

当初はこれで本になると思っていたのですよね。

 

しかしこうして出来た原稿は、一冊の本にはほど遠いものでした。

一冊の本として一貫したメッセージがなかったのです。

そもそも最初からバラバラなパーツを寄せ集めても一つのものにはならない。当たり前のことですね。

さらに自分は2年間かけて一貫したテーマを書いているつもりでも、言いたいことは徐々に変化していきます。一つにまとめても矛盾が至るところにあるのです。

結局3-4ヶ月かけて書き直しして、やっと本が出来ました。

 

2011年に中経出版様から出版した「残業3時間を朝30分で片づける仕事術」は、逆の方法を取りました。

まず本書の狙いとターゲット読者に基づきメッセージ(=「残業3時間を朝30分で片づける仕事術を紹介する」)を決め、そのメッセージを伝えるために必要な要素(=章立て)をいくつかに分けて、各章で言うべきことを定義する、という作業を2週間かけて行いました。

その後、各章を書いていきました。その際にブログで書いた内容で活用出来るものは適宜手直しして流用しました。

生産性が高い朝時間を活用したこともあって、GW休暇の1週間で初稿を書き上げました。

 

この二冊の経験で学んだのは、「ブログをまとめただけでは、本にはならない」ということです。

2000-3000文字のブログと、10万文字の本では、50倍というそのボリューム以上の大きな差があるのです。

ブログは「不特定多数の人達に対して文章を書く」という修練をする上で非常に役立つ手段です。文章力も鍛えられますしテーマ深掘りもできます。

本の中ではそれらはとても重要です。しかしあくまでもパーツです。パーツだけでは本は出来ません。

例えてみれば50回分のブログを延々と読まされるようなものです。ちょっと読むのは大変ですよね。

ですから全体を貫く一つのメッセージと、そのメッセージを構成するストーリーが必要なのです。

逆に10万文字分のストーリーを作る力があり、かつあるテーマでブログの蓄積があれば、本を書くことは可能なのだ、ということなのでしょう。

 

 

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