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「+100ccの余裕」を実現し成功したカローラから、我々は何を学ぶか?

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2012/08/12の日本経済新聞の記事「経済史を歩く(13) トヨタ・カローラ発売、大衆車の時代開く」で、1996年1966年に発売され、1969年から2001年まで33年連続で「日本で最も売れた車」になり、現在も年間1000万台売れ続けているトヨタ・カローラの発売当初のことが書かれています。

---(以下、引用)---

エンジン排気量はサニーの約1000ccに対し、カローラは1100cc。この差をとらえて、トヨタが「プラス100ccの余裕」というキャンペーンを展開し、消費者の心をつかんだエピソードは有名だ。

(中略)

高度成長のただ中。豊かさを渇望した大衆はクルマに夢を求め、豪華さを求め、隣のクルマとは違う「何か」を求めた。時代の機微をよく知るトヨタは日産が開発中の小型車の排気量が1000ccという情報を得ると、開発中のカローラの排気量を急きょ100cc増やして、1100ccにすると決断。発売が8カ月後に迫る中での大胆な設計変更を長谷川が指揮した。

(中略)

エンジン拡張に関わる書類は表紙に赤い「Z」のゴム印が押され、あらゆる書類に優先して超特急で決裁する社内ルールができた。

---(以上、引用)---

 

顧客の「豊かさ」に対する渇望を巧みに読み取り、「+100ccの余裕」というメッセージを付けるために発売直前にも関わらずエンジン大型化を決断、全社で最優先事項で対応したのは、高度成長期の日本企業の強さを感じます。

具体的には、

・顧客のニーズ(豊かさへの渇望)を、巧みに読み取った点
・ニーズ対応のため、発売直前にも関わらず、大きなリスクを取る経営判断をした点
・組織の縦割を排し、全社で最優先事項として対応した点

海外の成功企業だけでなく、高度成長期の日本企業からも、我々は改めて多くのことを学べるのではないでしょうか?

 

■修正記録(2012/8/13 12:33): 「1996年」を「1966年」に修正

 

 

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