忙しい中で、緊急度の高い仕事ばかりしていたら、ますます忙しくなってしまう。ではどうするか?
会社で仕事をしていると、緊急な仕事が結構あります。
「明日、お客さん訪問なんだけど、こんな情報下さい」
「これ、今晩中にお願いします」
「今日の午後、緊急会議です」
「xxxxでトラブル。要緊急対応」
こんなことばかりで、一日が終了してしまう....という日々をお過ごしだとしたら、多分ますます忙しくなることは間違いありません。
なぜかというと、緊急度が高い仕事ばかりやっていると、重要度が高い仕事が後回しになってしまうからです。
重要度が高い仕事が後回しになってしまうと、仕事の品質が落ちたり、納期に遅れたりして、後々トラブルが発生してしまうのです。
スティーブン・R・コヴィーは、著書『7つの習慣』の中で紹介した「時間管理のマトリックス」という考え方の中で、このことを紹介しています。
「時間管理のマトリックス」というのは、時間の過ごし方を「緊急」と「重要」の二つの軸により、以下のように四つの領域に分けたものです。
緊急 | 緊急でない | |
重要 | 第一領域 ・締切りある仕事 ・クレーム処理 ・せっぱつまった問題 ・病気や事故 ・危機や災害 |
第二領域 ・人間関係作り ・健康維持 ・準備や計画 ・リーダーシップ ・真のレクリエーション ・勉強や自己啓発 ・品質の改善 ・エンパワーメント |
重要でない | 第三領域 ・突然の来訪 ・多くの電話 ・多くの会議や報告書 ・無意味な冠婚葬祭 ・無意味な接待や付き合い ・雑事 |
第四領域 ・暇つぶし ・単なる遊び ・だらだら電話 ・待ち時間 ・多くのテレビ ・その他、意味のない行動 |
ご自分のここ数日の仕事を思い出しながら、しばらくこのマトリックスを眺めてみて下さい。
どれが多かったでしょうか?
第一領域が多い人は、常に締切りに追われている状態です。恐らく「重要だが緊急ではない」第二領域の仕事を先送りした結果、「重要かつ緊急」な第一領域の仕事ばかりを抱えてしまっている可能性大です。
第三領域が多い人は、他人の仕事ばかりしていて、自分の仕事が出来ていない人です。忙しいのに、アウトプットが出せない状態で、生産性は下がる一方。問題は、実は相手はそれほど重要と思っていないのに、自分は第一領域と錯覚している場合もあります。
第四領域は、何のアウトプットも生み出していません。こればかりだとしたら大問題。
第三領域と第四領域は重要ではないので、出来るかぎり避けたいところです。
第二領域は、緊急性がないためについつい先送りしてしまいがちですが、普段から着実に実行すべきものです、。これをやっていない結果として第一領域が多くなり慌ててしまうのですね。逆に第二領域の仕事を意識して重点的に行うことで、第一領域の仕事が徐々に減っていきます。
「緊急で重要」な第一領域を最優先で行わなければならないのは、仕事なのでやむを得ません。
しかし自分で主体的に仕事を進められるようにするには、第三領域と第四領域の仕事を出来るかぎりなくし、普段の仕事を第二領域にシフトし、結果的に第一領域の仕事を減らすことです。
私も出来るかぎり意識してこの領域に時間を使うようにしています。
実際、冒頭の緊急な仕事についても、
「明日、お客さん訪問なんだけど、こんな情報ください」
「これ、今晩中にお願いします」
これらは日頃の準備を整えることで、即座に対応できるようになります。
「今日の午後、緊急会議です」
「xxxxでトラブル。要緊急対応」
これらは、日々の仕事の品質管理を徹底し、準備と計画を行うようにすることで、徐々に減ってきます。
ワークライフバランスの観点でも、普段から「緊急ではないが重要な仕事」を地道に行っていきたいですね。