「オルタナティブ出版」を始めます(その1) なぜ、「オルタナティブ出版」なのか?
3月には出版すべく進めている新著「バリュープロポジション戦略 50の作法 -顧客中心主義を徹底し、本当のご満足を提供するために-」は、現在、最終の詰めの段階です。
この本は、私自身が著者・編集者・発行者となって、「オルタナティブ出版」というスタイルで出版する予定です。
今日は、この「オルタナティブ出版」を始めようと思った理由を書きたいと思います。
今回の本は、私にとって三冊目です。
普通の会社員である私がこのような執筆活動を続けるのは、「ビジネスパーソンは、勤務先のインサイダーとしてだけではなく、自分が学んだことを、主体的に社外やグローバルへ情報発信していくべき」との思いからです。
ビジネスパーソンが書く文章は、洗練度や品質面ではプロの書き手にはかなわないかもしれません。
しかしプロフェッショナルとして、現場で現実と格闘しているビジネスパーソンの経験は大きな価値がありますし、だからこそ書ける世界もあります。
さまざまな経験と知恵を持ったプロフェッショナルが、主体的に情報発信し、お互いに学び合うことで、よりよい世界を実現できると思っています。
とは言え、ビジネスパーソンが出版するのには、大きな壁があります。
まず、出版実績のないビジネスパーソンに、出版社から声が掛かることは、まずありません。
オルタナティブブログでブログを書いている方々には、出版社から声がかかる方がおられますが、決して多数派ではありません。
もちろんご本人の才能とご努力で、出版社から出版の同意を獲得し出版を実現された方もおられます。しかし、本人の努力以外の、運に委ねられる面があることも否めません。
実際、私自身も、出版社に売り込んでも、なかなか出版は実現できませんでした。
また、出版を実現したとしても、その後に問題があります。
出版した著書は、著者個人が全権利を持っている訳ではありません。
版権は出版社が持っています。
出版社もビジネスなので、増刷するかどうかは、あくまで出版社のビジネス上の判断。
たとえば、初版在庫切れ状況で増刷しない、と判断するケースがあります。
この場合、絶版にすると出版社は版権を失います。
しかし、この時点で絶版にするかどうかも、出版社の判断です。
出版社の立場では絶版にすると権利を失うだけで、ビジネス的には得はありません。
ですので、実際には増刷も絶版もせず、版権だけを持ち続けるケースも多いようです。(増刷しないと判断した時点で絶版にして版権を手放し、その後の出版権を著者に戻す良心的な出版社も、もちろんあります)
ということで、出版後2-3年間で入手不可能になる本も、結構多いのが現実です。
では、出版社を経由しない個人出版は、どうなのか?
これは個人の判断で出版できますし、版権も著者が持つことができますので、上記の問題は解決できます。
しかし、従来、個人が出版に取り組むには、コスト・販売・流通・編集等の面で大きな壁がありました。
実際、自費出版を数百万円で請け負う出版社もありました。しかし、出版で数百万円も出せる人は限られています。
しかし、最近、状況は大きく変わっています。
ITの進化による製版・印刷の低コスト化、個人でも出版社と全く同等に書籍を販売・流通できるアマゾンe託販売等の登場、さらには電子書籍の普及などにより、今やコスト・販売・流通・編集等の壁はとても低くなっています。
この結果、一般のビジネスパーソンが、著者としてだけでなく発行者として、書籍を企画・編集し、自由にビジネスで得た知識や経験を世の中に情報発信していくことが可能な時代になりました。
そこで今回の新著では、「オルタナティブ出版」という新しいスタイルで、企画から出版までプロの編集者のサポートなしに、私自身が編集者・発行者となって出版する予定です。(実は最初の本がこのスタイルでしたが、「オルタナティブ出版」というスタイルを明確に打ち出すのは、今回が最初です)
費用は海外旅行一回分よりも安い程度の金額です。
ところで、この新著、実は電子出版ではなく、従来の紙の本で出版する予定です。
電子書籍が大きな話題になっている中で、なぜ、紙の本なのか?
理由は、明日書かせていただきます。