オルタナティブ・ブログ > 永井経営塾 >

ビジネスの現場で実践できるマーケティングと経営戦略をお伝えしていきます。

「勤め人としてお金を稼ぐ」のと、「ビジネスでお金を稼ぐ」のは大きく違う。ということで、ビジネスパーソンは、セールスの仕事を一度経験するとよいかもしれない、という話

»

社会人になった私達は、勤め人になると、毎月銀行口座に給与が振り込まれます。

そこで私達は、就職してしまえば、結構大変だとは言いながらも、お金を稼ぐのはなんとかなると考え勝ちです。(昨今では就職も大変ではありますが)

 

しかし、「勤め人としてお金を稼ぐ」のと、「ビジネスでお金を稼ぐ」のは、大きく違います。

 

会社の中では、

1.会社を経営するために必要な、お金を稼ぐ人(=セールス)
2.商品を作る人(開発や生産)
3.サービスを提供する人
4.売った後のサポートをする人
5.バックオフィスとしてこれらのサポートをする人
6.マーケティングとして売る仕組みを考えそれを動かす人、

と、色々な役割の人が必要です。他にも色々な仕事があります。

この中で、お客様に商品やサービスの良さをご納得いただいた上で購買の判断をしていただき、その対価としてお金をいただくのは、1.のセールスだけです。

他の人達の給料は、そのセールスが売ったお金から出ています。(勤め人の中でも、公務員の場合は状況は違いますが、ここでは触れません)

 

この「モノを売る」という行為。

実はとても難しい仕事です。

実際にセールスを経験された方は、1円を稼ぐことがいかに大変かを、身をもって体験されているのではないでしょうか?

お客様はかなり強い理由がないと、お金を払いません。

自分の立場に立つと、分かりますね。

そこで、財布の口を開いていただくために、お客様の課題を理解し、その課題をいかに自分達の商品やサービスで解決するかを考え、お客様に訴求する訳ですね。

 

つまり、「ビジネスでお金を稼ぐ」ということで、これはある意味、ビジネスの基本です。

ビジネスの大切な何かを掴むためには、これを経験することはとても役立ちます。

 

ということで、何らかの形で、セールスの仕事を経験することは、とても重要だと思います。

プリセールスエンジニアとして顧客へ製品説明やデモを行う立場でもよいと思います。

あるいは、新規ビジネス開発担当者として、実際にお客様に売り込んでもよいと思います。

セールスの現場でお客様に接することが、とても大切です。

なるべく頭が柔軟で感受性が高い若い時期が望ましいと思いますが、シニアになっても遅すぎることはないと思います。

 

幸い、私は30代前半、プリセールスリーダーとして、セールスの現場でグループウェアを日本全国に売り歩きましたが、この時の経験は、その後のビジネスで大きな財産になっています。

この経験をする前に新商品を企画していた頃は、ビジネスケースは数字でしか考えられませんでした。

セールスの経験をした後は、ビジネスケースを考える際には、実際のお客様をイメージできるようになりましたし、「ビジネスでお金を稼ぐのなんて簡単」なんて口が裂けても言えないことだということを痛感しました。

それなりにセールスを経験した人は、ビジネスマナーがしっかり身についている方が多いのも、偶然ではないのでしょうね。

 

また、将来的に起業を考えている人にとっても、肌感覚として、勤め人時代にお金を稼ぐ難しさを知っていることは、とても大切なことかもしれません。

Comment(1)