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マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

世界全体で、ここ数十年の経済発展が大きな転換期にさしかかっています。

過去の不景気の時とは異なり、この時期こそ、ITを活用していかに新しい世界に備えるかを考えていく必要があると思います。

一方で、日本のITの現状は大きな課題があります。

今までよく言われてきたことですが、今こそ、その課題を解決すべき時期だと思います。ここで改めて、そのいくつかを挙げてみたいと思います。

1.日米のIT投資の差が、GDP成長の差を生んでいる。

これは、総務省が出した2007年度の情報通信白書で指摘されています。

1990年から2005年の15年間で、米国はIT投資が6倍強に増え、GDPも+55%増えました。
一方で同時期、日本のIT投資の増加は2倍弱で、GDPは+20%しか増えていません。

情報通信白書によると、「1990年代後半以降の米国経済の繁栄は企業の活発な情報化投資に支えられていた」と分析しています。

 

2.日本は守りの分野、米国は攻めの分野にIT投資

この少ない日本のIT予算は、どこに投資されているのでしょうか?
これも同じ2007年度の情報通信白書で指摘されています。

日米のIT投資分野と効果を比較し、コスト削減の効果には大きな差がない一方で、付加価値向上に関する項目について日本が米国に差をあけられていることを示しています。その上で、

「日本企業は、ICTシステム導入と業務・組織改革による効果としては、業務の効率化によるコスト削減中心であり、米国企業に比べて、付加価値向上に結びつくような効果は生まれていない」

としています。

ガートナー・ジャパンでも同様に、「米国と比較し、日本は戦略分野でのIT投資が弱い」と指摘しています。

 

3.日本はオーダーメイド開発が多く、開発・保守コストが増大し、戦略的投資にお金が回らない

ちょっと古い調査ですが、これは総務省が2005年7月に行った「企業のICT活用現状調査」という調査です。

日米の各種業務開発が、「A:パッケージソフトを利用しカスタマイズなし」「B:パッケージソフトを利用しカスタマイズを積極的に実施」「C:パッケージソフトを利用せず、オーダーメイドで構築」に分けて、その比率を示しています。

米国に比べて、日本ではCの「オーダーメイド開発」が2-3倍程多くなっています。

あるパッケージベンダーも数年前に、「日本における我々の競合は、他のパッケージベンダーではなく、自社開発だ」と言っていました。

これは、現場が強い日本では、業務プロセスに独自性を埋め込み差別化を図ろうとするために、ITを業務毎に個別実装してきたためです。

現場が強いこと自体は、必ずしも悪いことではありません。むしろ今までは日本の強みでした。

一方で、このオーダーメイド開発は開発・保守コストの増大を生み、戦略的IT投資にお金が回らない遠因になっています。

さらに、個別にオーダーメイド開発されてきた業務システム間の連携がなかなかできない弊害も生じています。全社最適で企業の競争力が求められる現代、このことは大きな課題です。

 

4.IT実装力の差が、企業の俊敏性の差を生んでいる

ITの個別実装が企業全体でどのような弊害を生むのか?

その一例が、IBMのGlobal CFO Study 2008で見ることができます。

この調査では、世界中のグローバル企業の1230社のCFOに、「世界中で使われた出張費の集計にかかる時間は?」という調査を行いました。

世界全体では「1時間以内」と答えたグループが一番多く45%でした。一方、日本企業で一番多かったのは「1日から1週間」という答えで39%でした。

さらに、データの迅速な取得は信頼性が高いという結果も出ています。

出張費集計にかかる時間そのものが、企業の競争力に直結する訳ではありません。

しかし、企業の俊敏性を把握する一つの目安にはなると思います。

 

ここまでの話をまとめると、日本のITの課題は、

■そもそもお金をかけて差別化しようと考えていない

■その少ないお金をオーダーメイド開発で使っており、高コスト体質になっている

■このことが、企業全体での俊敏性の差を生じている

ということが言えそうです。

これをブレイクスルーする一つの回答が「全社最適」ではないかと思います。

つまり、企業全体のITを、一つのインフラの上に実装し、相互の業務システムを連携させることで、開発期間を短縮させ、企業の俊敏性を高めるとともに、コストパフォーマンスや保守性も高める、という考え方です。

IBMが提唱しているエンタープライズ・クラウドも、この流れの中にあります。

これを実現するためには、SOAのような技術を活用し、既存資産を活かしつつ、ITを作りかえていくことが必要になります。

言い換えれば技術は既にあります。

組織の壁等の人間系の課題をいかに解決するかがカギです。

欧米と比べて、金融危機の影響が(少なくとも現時点では)比較的少ない日本は、今こそIT投資でグローバル・レベルの競争力を獲得するチャンスであると思いますが、いかがでしょうか?

nagai

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永井孝尚

永井孝尚

日本IBM・ソフトウェア事業部のシニアマーケティングマネージャー。
著書「100円のコーラを1000円で売る方法」(中経出版)、他数冊。

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