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読後感:村上龍「半島を出よ」

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村上龍「半島を出よ」を読み終えました。

上下あわせて1100ページの大作ですが、不思議とあっという間に読み終えてしまいました。

先日も書きましたが、2010年、経済破綻し国際社会で孤立した日本に、北朝鮮の特殊部隊が福岡に上陸し制圧する、という話です。

これ以上はネタバレになるので書きませんが、驚いたのは巻末にある参考文献の圧倒的な量でした。脱北者にも相当数のインタビューを行ったそうです。

村上龍の作品は、ストーリーの合間に様々な登場人物の人生の生き様やトラウマを鮮やかに浮かび上がらせたり、一見あり得ないと思えるストーリーを非常に現実感を伴って描写していきますが、それもこのような圧倒的な情報量に裏打ちされていることがよく分かりました。

小説を書くこと自体、情報戦なのですね。

「毎日、この本を読むのを楽しみにしていたあの喜びは、これでもう終わってしまったのだな」と思えるような本は、なかなかありませんが、この本はそのような一冊でした。

このような本に出合えることは、幸せですね。

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