世の各種マーケティング理論、実はみな帯に短したすきに長し
マーケティングの世界では、様々なマーケティング理論が存在しています。
これらを実際にビジネスに適用するにあたり、我々はどのように考えればよいのでしょうか?
このことを考える上で、ヘンリー・ミンツバーグが、NBonlineの記事「MBA型リーダーは企業を破綻させる米国をまねる日本企業の落とし穴」で語っている内容は、参考になります。
---(以下、引用)--
日本の経営者には、(中略)、米国の経営スタイルなど絶対にまねるなと言いたい。むしろ、「お互いが協力する」という戦前から根づいている日本の企業ならではの強さをこのグローバル時代でも追求し続けることが、長期的に企業としての競争力、高い生産性につながると強調したい。
「最初から完璧な戦略はない。思考と行動を繰り返し、経験を通じ進化させるものだ」
---(以上、引用)--
新原浩朗著 「日本の優秀企業研究」 では、日本の優秀企業の条件として、
「自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、愚直に、まじめに自分たちの頭できちんと考え抜き、情熱をもって取り組んでいる企業」
としています。上記のミンツバーグの指摘とあい通じるものがありますね。
また、ミンツバーグは、以下のように語っています。
---(以下、引用)--
絶対に成功するマネジメントの方程式などないのです。日本企業が、これまで強みとしてきた従来のロジックを貫いて、米国に翻弄されない独自の経営スタイルを築いていくことを願っています
---(以上、引用)--
万能なマーケティング理論もまた、存在しないということですね。
ミンツバーグは、著書「戦略サファリ」で、世の中でメジャーなほとんど全ての多くのマーケティング理論を取り上げて長所・短所・限界・問題点を詳細に検証しています。
例えば、日本では戦略論=ポーターとまで言わますが、この本ではポーターは10通りある戦略スクール(学派)のうちの一つとして位置づけられています。
世の中の様々なマーケティング理論に振り回されないために、参考になるかもしれません。
私達がマーケティング戦略を立てる場合も、様々な理論に惑わされることなく、その本質を理解し、役に立つ部分のみを活用するように心がけたいものですね。