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通勤混雑の対応に必要な、マーケティングの視点

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私は田園都市線沿線に住んでいますが、通勤時の急行は異常に混んでいるので、いつも各駅停車に乗っています。

各駅停車では、つり革を確保でき、本などは何とか読むことが出来る程度の混雑なのです。

ただ、これは今年3月まででした。

4月にダイア改正があり各駅停車の混雑度合いが激しくなってきました。つり革も確保できず、本を読むのも難しい場合があります。

本日(5/12)の日本経済新聞・神奈川県版では、この田園都市線の混雑緩和策について紹介しています。

田園都市線沿線では、ここ数年次々とマンションが建ち、人口が増えています。2005年度の一日当りの平均輸送人員は113万人で5年前から8%増加しました。このため朝の混雑率は194%と首都圏の中でもかなり高いのです。

特に急行は早く都心に着くので異常に混んでいます。乗り降りに時間がかかるためダイアが乱れ、さらに遅れる、という悪循環になっています。

そこで東急では、8時代は急行が二子玉川駅と渋谷駅の間の全駅に停車するようにしました。このために急行の客の一部が各駅停車に移動した結果、各駅停車が混むようになったようです。

ラッシュ時に対応できるように新規投資する方法もありますが、日中や休みには有効活用できないので、コスト削減を求められている鉄道会社としては辛いところですね。

例えば、通常10両編成で運用しているところを、駅のホームを大きくして15両編成で運用できるようにすると、輸送量を50%増やせます。しかし、全駅のホーム伸長工事と新規車両の発注等で非常に大きな投資になりますし、日中や休みの日は不要な施設ですので、企業としてはおいそれとは取り掛かれません。

記事には書いていませんが、ポイントは今後のラッシュ時の混み方がどうなるか、という点だと思います。

確かに沿線の人口が増えていることは通勤人口の増加要因ですが、団塊世代の退職や、在宅勤務の普及等は、通勤人口の減少要因です。

従って、今後、この増加要因を減少要因でどれだけ打ち消すことが出来るかが、カギですね。

特に在宅勤務で仕事の能率が上がることが一般に認知されていくと、一気に在宅勤務が普及して通勤人口が減り、通勤混雑が解消される可能性もあります。

ラッシュ時対応の投資には時間がかかりますので、対応策が出来た時点で必要なくなった、ということにもなりかねません。

ここの読みは難しい問題ですが、課題の対応にマーケティング的な視点を組み合わせることで、選択肢が増えるのではないでしょうか?

まぁ、個人的には、これ以上混雑の度合いが激しくなると、結構つらいものがありますね。


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