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Podcast最終回配信:「マーケティング・プロフェッションの皆様へ」

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本日、最終回となる第四回目の配信です。

今回のタイトルは「マーケティング・プロフェッションの皆様へ」です。

激動の世の中で、未来志向の考え方が求められるマーケティングの位置づけと、マーケティング担当者への期待はますます高まっていると思います。

このような中、今回は日頃の思いを語らせていただきました。アクセスはこちらで。

今回、初めてPodcastに挑戦しました。反省点を挙げるとキリがないのですが、一方で自分の思いを伝える情報伝達手段として素晴らしいメディアであると思います。

できれば機会があれば、またチャレンジしてみたいですね。

下記は原稿です。収録中は箇条書き原稿を読んいるため、この通り話していませんが、ご参考まで。

---(以下、原稿)---

『マーケティングが分かると、ビジネスが見える』
■第四回■マーケティング・プロフェッションの皆様へ

こんにちは、永井孝尚です。

私は日本IBMのソフトウェア事業部で、マーケティング戦略を担当しています。どうぞよろしくお願いいたします。

「マーケティングが分かると、ビジネスが見える」と題して、4回に渡ってお話させていただいてます。

第一回目は、「マーケティングはバリュー・プロポジションから始まる」
第二回目は、「お客様の課題をどのように解決できるか、正しく考える」
第三回目は、「局地戦ではなく、総力戦で考える」
第四回目は、「マーケティング・プロフェションの皆様へ」

をお伝えしています。

最終回の今回は、「マーケティング・プロフェッションの皆様へ」です。

■ ■ ■ ■

私が勤務するIBMでは、職種別に「プロフェッショナル制度」があります。

これは1992年の経営危機の際に、当時CEOに就任したガースナーが経営改革の一環で始めたものです。

技術系、営業系、コンサルタント系、マーケティング系等の基本的なキャリアパスが世界共通で定義されています。

マーケティング系も複数のプロフェッショナル職種があります。その中で、私はマーケティング・マネージャーというプロフェッショナルになります。

マーケティング・マネージャーの仕事は、担当する市場のマーケティング戦略の立案及び実施です。

■ ■ ■ ■

この仕事を長年担当している関係で、マーケティング担当者のプロフェッショナル認定審査や、コーチングを担当させていただくことが最近多くなりました。

その経験で、最近、次の二つの質問で相手の方のマーケティング・マネージャーとしてのおおよその力がわかるのではないかと思っています。

質問1:あなたは、マーケティングとは、どのようなものだと考えますか?

質問2:あなたがマーケティングを担当している分野について、これから3年間のあなた自身が考えるマーケティング戦略を教えてください。

両方とも簡単な質問ですが、常に問題意識を持っていないと答えられません。

質問1については、実はマーケティングの本に書いてあるような答えは求められていないのです。

理由は、その手の教科書を覚えられれば誰でも答えられるからです。

ここで期待されているのは、自分自身の経験に基いた回答です。

質問2については、いかに自分で主体的に仕事に取り組んでいるかが問われます。

上から与えられた仕事をただ言われた通りこなすのではなく、自分自身が自分の仕事の主役になり、自分が考える理想の姿と現実の差を把握し、どのように自分で解決するか、常に考えることが必要です。

■ ■ ■ ■

「いや、自分は考えたこともないし、そんなものは持っていない」という人も多いのですが、実はそんなことはないと思います。

例えば、あなたが新入社員だった頃のことを思い出してみるとよいのではないでしょうか?

入社してからの1年間、自分はあまり成長していないようなジレンマを感じていた人も多いと思いますが、1年後に入社してきた新人と入社1年後の自分を比べてみて、誰でも大きく成長している自分を見つけた筈です。

つまりわずか1年の間に、仕事を通じて様々な経験をし、仕事の暗黙知を蓄積しているのです。

実際、毎年4月の通勤時に出会うような、一目で社会人一年生だと分かる初々しい人達も、2-3ヶ月も経つとたくましい社会人になりビジネス・パーソンの中に溶け込んでいます。

1年間でこれだけ違うのですから、数年間、又は十数年間取り組んできた仕事から、誰でも非常に大きなことを学び、言葉にはできない暗黙知や問題意識を身につけている筈です。

■ ■ ■ ■

問題はそれが相手に言葉で説明できる形式知の形で整理されていない点です。

形式知の形で整理することで、問題点と将来の目標もみえてきます。

従って、それらを改めて考えて、整理してみることが、プロフェッショナルとして育つためには重要なのではないでしょうか?

実際に行ってみるとなかなか大変な作業ですが、必ず自分に見返りがあります。

さて、

・あなたは、マーケティングとは、どのようなものだと考えますか?

・あなたがマーケティングを担当している分野について、これから3年間のあなた自身が考えるマーケティング戦略を教えてください。

これらの質問に対して、即座に回答できるように、常に考えていたいものです。

私自身も考えていきたいと思いますし、皆様も是非考えてみては、と思います。

■ ■ ■ ■

さて、最終回は「マーケティング・プロフェショナルの皆様へ」というテーマでお送りさせていただきました。

4回に渡ってお送りさせていただきましたポッドキャストも、今回で一旦一区切りになります。

短い間でしたが、マーケティングのさわりの部分をお送りいたしました。

この続きは、オルタナティブ・ブログの中にある私のブログ「永井孝尚のMM21」でお送りします。

今後ともよろしくお願いいたします。

4回に渡りお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

今後の皆様のますますのご活躍とご発展をお祈りいたします。

---(以上、原稿)---


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