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論理的思考を放棄するスーパープログラマーとモーツァルト

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筑波大学4年生でソフトイーサ株式会社社長の登大遊さんが、「論理的思考の放棄」というエントリーを書かれています。

登さんは1日に3,000行、多い日で10,000行以上のプログラムを書いているそうですが、ソフトウェアの大半の設計は自分で行い、設計は最初の1回目で確定させ、その後は極力修正が起こらないようにしているとのこと。

これに加えて、大学は留年することなく卒業し、学術活動・ベンチャー起業と経営も両立しています。

これってすごいことですよね。

登さんはこの自分の能力は標準的なものと思っていたそうですが、実はこのようなことが出来るのはごく少数らしいということに気付いたそうです。そこで、登さんがこのようなことを行うために遵守する3つの項目を挙げています。

① 努力しないこと
② 論理的に考えないこと
③ 頭を使わないこと

詳しくは登さんのブログを読んでいただくとして、非常に奥深いですね。

言うまでもなく、こちらのブログに書かれているように、

・もともと努力しない
・もともと理論的に考えない
・もともと頭を使わない

という人には、このアドバイスは当てはまりません。

登さんのエントリーを読んで連想したのが、天才モーツァルトです。

映画「アマデウス」では、大交響曲が頭の中で完全に形作られ、後は五線譜に頭の中のイメージを一つずつ落とす作業を行うモーツァルトの姿が描かれています。実際に出来上がった曲も手直しが全くなく、サリエリが驚愕するシーンもあります。(ただし、実際に残されているモーツァルトの楽譜には、手直しもあるようですが)

モーツァルトの音楽も、論理的思考や努力とは無縁の産物のような気がします。

登さんのプログラミングとモーツァルトの作曲は、もしかしたら共通点があるのかもしれませんね。

登さんは、翌日のエントリーで、

そう言って伝えることを諦めてしまうのも面白くないので、もう少し時間をかけて、どのようにすればわかりやすくまとめることができるのだろうかということについて研究してみて、うまくまとまれば発表しようと思うから、しばらくお待ちください。

とおっしゃっています。

登さんがご自身の暗黙知を分かり易く形式知にして伝えていただければ、上記の観点で見てもこれは非常に価値があることだと思います。楽しみに待ちたいですね。

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