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「カタコリ」という日本語を聞いて初めて欧米人は肩凝りを実感した、らしい

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BRUTUS 2007/1/1*15合併号によると有名なエピソードらしいのですが、全く知りませんでした。

この号では、世界中でブームになっているジャパン・クールの特集をしていますが、ブラジル全体では指圧が大流行中だそうです。SHIATSUという言葉も、ジュージュツやアニメに続いて公用語になりつつあるとか。

欧米人が「肩凝り」を知らなかったとしたら、欧米市場で指圧市場の調査を行っても、何も結果が出なかった訳で、市場調査の限界を示していますね。

市場調査は既にあるニーズを定性的・定量的に把握するためには非常に有用ですが、まだ顕在化していないニーズは決して分かりません。

「カタコリ」という日本語を聞いて初めて欧米人は肩凝りを実感したように、このようなニーズを発掘するためには、そのニーズを何らかの形でお客様自身に気づいていただき、さらに実体験していただくことが必要になります。

さらに普及のためには「面白そうだし、まだ周りで誰もやってないし、クールだから、指圧をやってみよう」というユーザー層から、「怪しいモノだと思っていたけど、結構周りでも流行っているし、変な話も聞かないので、やってみようか?」というユーザー層に拡大することで、市場に定着する必要があります。

これは普及のための壁であるキャズムをいかに超えるか、という話ですね。前者のユーザー層はビジョナリー(Early Adapter)で、後者は実利主義者(Early Majoroity)になります。両者の行動原理は正反対なので、この壁をいかに越えるかがマーケティングの腕の見せ所でもあります。

かくいう私も、ちょっと肩凝りな人です。

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