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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

タガが外れている?一方で益々持てるものが豊かになる社会?

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何だか、世界中が益々おかしくなってきていると感じる。以前から言われてきたことだが、習近平氏が自らの名前を憲法に。まあ、立憲主義というもの自体が本当に究極の姿なのかは議論があるところだと思うが、憲法というものが存在する以上、これは国民を権力から守るものであるはずで、そこに侵略・帝国主義の主席の名前が入ること自体矛盾していると感じる。

働き方改革、労働者の権利は理解するが、医療や介護の現場では、制度の問題もあって経営が簡単には成立たない一方で、出来る限り社会の要請に従うべくサービス時間を延長するなどの工夫をしている。だが、個々の機関の財政的な厳しさから、どうしても医師などの専門性を有する方々にしわ寄せが行かざるを得ない。長時間労働が常態化するのはもちろん宜しくないが、一方で何でも権利という風潮が本当にいいのか?専門性のある方々とは合意があれば良いというような考え方はないのか?現実に労働争議で何が起こるかというと、最も働かない人間がごね得で支払いを得るということになる可能性も考えるべきではないか?制度そのものが機能しなくなってきているように感じる。

虐待を受けた少女の施設の名前を母親に教えてしまったという話。どうもタガが緩んでいるとしか思えない。知人で子供の虐待などの対策に奔走している方がいるが、彼も指摘しているとおり問題は、仕組みや制度以前に、この問題の重大性を行政も地域も社会も認識するところから始まるのではないか?何だかこのような事件が起きるということは、そもそも軽く見ているとしか思えない。そしてアメリカン・グラフィティのつもりなのか、地下鉄の落書き。単発ではないようでもあるし、是非摘発して厳しく罰してほしい。

ビット・コインなどが乱高下している。そもそもこれらを通貨としてとらえるかという問題もあろうが、やはり中央銀行、市中銀行を通じた決済と信用供与の仕組みが機能しなくなりつつ中、ブロック・チェーンの技術に依拠したある意味民主的な仕組みという意味では、世界のお金の流れを変える可能性のある仕組みだと感じている。それを投機としてとらえる方々が多い故にこのような事態が発生すること自体、許しがたい気がする。既にデリバティブの市場も出来つつあるようだが、そもそも現下の金融システムを崩壊に近づけたのは何か、よく考えるべきだ。背景に実需のないデリバティブは投機以外の何物でもなく、且つ貧者に対する搾取の手段になりうる点を良く認識すべきだ。

GEが会社分割。これもアメリカ型の金融・株主資本主義が機能しなくなりつつある証左ではないか?GEは製造と金融という二つのフィールドで、まさにポートフォリオをどう構築するかという点において最も優れた経営を行っていたという記憶がある。それが機能しなくなるということ自体、その根幹にあった経営の考え方がもはや成立たないということなのではないか?金融システムにしても、会社の経営にしても、本当に社会に、人々に貢献するサステイナブルな形を今一度見つけ出すべき時が来ている。

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