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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

高齢化は問題なのか?

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北米でAgingを主題にしたフォーラムを開催した。アルツハイマーなどの研究者も集まって、積極的な議論が展開され、日本の保険政策・医療政策なども報告された。素晴らしい会議だったが、ちょっと疑問に関したのが、誰もが高齢化の課題に言及する点だ。もちろん高齢化が進み、一方で少子化が進めば、社会保険の仕組みがそのままでは機能しなくなるし、労働人口が減少して経済成長にも影響が出る。

だが、考えてみれば、高齢化ということは、それだけ人類が安全に生きられるようになったということだし、医療技術が進歩したということだ。そのような素晴らしい環境変化に対応できていないから課題があると思うのであって、人類が益々成熟してきた、と考えればもっと前向きに捉えてもよいのではないか?元気に長生きできるのであれば、働くことも出来るわけで、とすれば生産年齢人口も減少するとは言えないではないか?

もちろん若者の就業の機会を奪ってはならないが、一方で政府が労働者が足りないから移民政策をと言っていることを考えると、要はこれまで高齢者と呼んできた人々に働いていただければ良いのではないか?若者がやりたくない仕事を安月給で外国人労働者に対応していただくなどというのは言語道断。要は、例えば介護など、極めて重要で且つ肉体的にも精神的にも厳しい仕事に対する報酬が少ないのが問題なのではないか?

そして、社会保険制度が機能しなくなるのは、少子高齢化もさることながら、要は健康でない、医療費がかかる高齢者が、長期間医療施設などに滞在するからではないのか?とすれば、高齢者が元気で年老いることが出来、出来るだけ元気で働き続けることが出来るようにすることで、この問題は解消するのではないか?経済成長の結果として、高齢化が進んでいるとすれば、それ自体は贅沢なことであり、世界中にそのようなところまで行かず、そもそも幼児の健康状態を気にしなければならない国や地域が多数あることに、今一度目を向けなくてはならない。

自分たちの問題は、ある意味で贅沢な問題なのであり、それは自ら解決していくべきものなのだ。そして全てを国が面倒見てくれるなどという甘えを止めて、例えば企業として、元気な高齢者をどう雇用するか、或いは個人としてどう生活習慣病を回避するか、など努力していくべきではないだろうか?

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