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シリコンバレーのサムライ・ウルフが、イノベーションについてつぶやきます。(時々吠えることもあります。)

関西財界セミナーで吠えてきた

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先週、関西経済連合会(関経連)と関西経済同友会共催の関西財界セミナーに招待された。場所は素晴らしい環境の京都国際会議場。私は、分科会の「Innovate Kansai」で話した。大阪市のイノベーション施策をベースに、ストレートな発言をしたつもりなのだが・・・。

私はこう主張した。産業イノベーションを進めるためには、「既存体制」の経営者、有識者、メディアには主役意識を棄てて横に控えていただき、「これからの体制」を築く次世代の人たちに道を譲り主役になってもらうしかない、と。

しかし、財界としての「宣言」では、私の主張は跡形もなく消えてしまった。一部の経営者やメディアには響いたようだが、公の場で賛成を唱えるほどではない。私の主張についてはともかく、「宣言」はいろいろな意見の中でも最初から想定された内容の集大成。(関西イノベーション特区などを盛り込む、など。)このセミナーで何か影響力を持って行動を起こそう、という気概が残念ながら感じられなかった。一人一人と立ち話をすると、皆「関西は変わらないといけない」と熱心に仰るのだが、組織になると皆さん黙ってしまうのは何故だろう?

以下、当日配布した私のレジュメを添付する。セミナー開催側から指定されたフォーマットで書いたもの。これは、分科会にのみ配布。しかも、すべての資料が紙ベース。会場内ではラップトップ、iPad、スマホを使っている人を全く見なかった。ここまでデジタルデバイドを目の当たりにしたのは本当に驚きだった。ただ、関経連の幹部との事前打ち合わせでアメリカからSkypeコールをお願いしたら、前例がないとのことだったが実現のために努力してくれた。やればできる。来年の財界セミナーでは、ペーパーレスを是非実現してもらいたいものだ。

KANSAI: “Innovation Gateway”

   ネットサービス・ベンチャーズ

 校條 浩 (MENJO Hiroshi)

. 課題

(1)地盤沈下にはジャパンファクターと関西ファクターがある

国全体がイノベーターズジレンマに

東京一極集中による関西空洞化(「阪神タイガーズ症候群」)

(2)関西に未来はあるか?

Bad news: 際立って優位性のある産業はほとんどない

Good news: 新しい産業を牽引しているWeb 3.0分野が、あらゆる産業分野の変革をもたらす「主役」となり、既存産業を活性化する時代が始まりつつある

(3)問題の本質

関西に「主役」がほとんどいないこと。→ 主役は外にいる

オープンイノベーションとは、「主役を外から持ってくる」こと

イノベーションは底上げ産業政策では無力。全く別にイノベーション政策が必要

. 勝利への方程式

(1)関西をイノベーションの「ゲートウェイ」に

「主役」はここにいない。主役は、海外(から)の人材、次世代人材、起業家

自前主義を脱しウィンブルドン型へ:外からの人が成功して幸せになる地域に

結果として、人、技術、金、情報、知恵が流入することを目指す

④関西に流入したイノベーションの種を育て、アジアへ輸出

(2)一番大事なのは「プロデューサー」:つなぐ人、ビジネスモデルの仕掛け人

日本にほとんどいないので、グローバルに積極的に発掘・育成する

プロデューサーのような中間人材が正々堂々と儲かる仕組みと文化の確立

(3)関西の一番の強みは、負けを認め、腹をくくりチャレンジすること

日本は世界に冠たる「反ベンチャー」国家。今までの規範の逆をすれば活性化する

日本の常識を守る「賢人」や「優良企業」は道を開け、「主役」のサポート役に

③既存産業界は、変化を恐れず「主役」のWeb 3.0分野を貪欲に取り込め

3.イノベーション施策例

(1)英語特区 (世界へ発信。世界から呼び込む)

(2)スーパープロデューサー、プロデューサーの発掘、育成

(3)シリコンバレーのようなイノベーションのメッカとの人材交流

(4)外からのイノベーション流入の呼び水としての新型ベンチャーファンド

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