アジャイルの「ライトウィング」と「レフトウィング」
アジャイルの認知が進むにつれて、アジャイルという言葉がどんどん広がっている。アジャイル、という言葉の中にはいろんな要素が入っていることが分かる。もっと大きなものは、CI(継続的インテグレーション)を中核とする技術的なプラクティス群と、スクラムプロセスフレームワークのような、人と人との会話のプロトコルと協働関係を作るしかけだろう。自分の現状を、アジャイルに変えるためには、どうしたらよいだろう?
"最近、「アジャイル」といっても中にいろんな要素があるために、「あなたのアジャイルは何のことを言っていますか?」と聞くことからはじめないと、話がかみ合わない"、と、Agile2012帰りのかわぐちさんと話していて、そのときに、かわぐちさんが描いた絵(たぶんどこかにある4象限の図)がいまひとつ自分にしっくりこなくて、私が描いて見た絵がこの絵だ。
あなたが、現状の開発現場を「アジャイル」に変えたい、と考えた場合、たどる道筋は2方向ある。また、2つが満たされないとうまくいかない。その2つをアジャイルの「ライトウィング」と「レフトウィング」と称してみた。(※ ゴールに向かう、右サイドと左サイド、をイメージしていて、政治的な右翼・左翼とは無関係です。)
「ライトウイング」は、CIを中心とする技術的なプラクティスだ。「高速に石橋を叩いて渡る」というのは最近あまのりょーさんに聴いた表現なのだが、あまりにぴったりなのでここに書いてみた。つまり、「動いているシステムを壊さずに、高速に、着実に、製品をインクリメントしていく」技術だ。アジャイルにはこれらの技術が必要だ。これを「開発環境」の整備とした。
これに対して、「レフトウィング」は、プロセス的なプラクティス、および、コミュニケーションやモチベーションに属する人間系のチェンジだ。アジャイルには、これらのマインドチェンジが必要だ。これを「チーム環境」の整備と呼びたい。
さて、あなたのアジャイルはどこにあるだろう?
※ 9/9 追記:
- 最初の図表を、より、サッカーの比喩が分かる絵にしました。
- Agile2012帰りのかわぐちさんの記事はこちら。
組織文化の分析と適用すべきアジャイル手法の選択http://f.hatena.ne.jp/wayaguchi/20120814211911
Micheal Sahota の描いた四象限の絵(シュナイダーモデル)もそこにある。
- さらに、かわぐちさんが描いた、アジャイルの全体図はこんな感じ。
http://f.hatena.ne.jp/wayaguchi/20120902215647