野中郁次郎先生と、スクラム、アジャイル、パタン言語、知識創造についてお話しました。
野中郁次郎先生を一橋大学に訪問、アジャイル、スクラム、創造、マネジメントについてディスカッションする機会を得ました。
先生はもちろん、ナレッジマネジメント、知識創造経営、そして、Scrumという言葉を生んだ、「The New New Product Development Game」という1986年の論文の著者の一人。もう一人は現在ハーバードの竹内さん。一昨年の AgileJapan 2010の基調講演、昨年は、Jeff Sutherland との対談が Innovation Sprint で実現、ハーバードの竹内さんのクラスにJeff Sutherland が呼ばれたりするなど、アジャイル会との交流が進んでいます。
ぼくが持ち込んだ、顧客を巻き込んだ、見える化された職場のワークスタイルの写真なんかを見ながらお話ししていたら、
PDCAって日本人大好きなんだけど、これは本当に欲しいもの、いいもの、そして感動は作れないんだ。ロジック思考、アメリカ的分析思考、MBA思考。最初に、Plan、っていうけど、大事な意味は、計画(Plan)から出てこない。最初に、共感、とか、、、個人の俺は誰でどう考えていて、お前は誰でだからどう思う、という全身体的な付き合いがある。そこに共感、共振、があって、それをチームで共有化する。SECIモデルなんだけど、ここに「創造」の本質がある。だからリーダーは、共感を作る「場」を作ることができないといけない。だから、触れ合う。見える化する。徹底的に話あう。演繹では生まれない。計画を書いて、仕様書にして投げ合ってもそこからは意味は出てこない。計画という言語が先ではない。まず、思いがあり、共有がある。これをアブダクションっていう人もいるけど、ロジックだけでは、意味が生まれない。帰納的に、発見とそれを型にしていくことを繰り返す。意味は形式ではなくて、その場の文脈から生まれるんだ。」
という話をされた。
「そして、そこから型をつくって、組織に埋め込む。言葉にする。ユニ・チャームの高原社長は、共振人材、をつくるといっていて、そこにはフロネティック・リーダシップの6項目が書かれている。そしてそれを組織の中で実践をしている。身体性が復権して、共振から型に。その場作り。それには徒弟制度しかない。ボディとマインド、切り離せないから。共感は、言葉より前にある。赤ちゃんが微笑むとお母さんが微笑む。この会話には言葉がない。ニューロサイエンスの成果で共感構造(ミラーニューロン)が発見され、これが説明可能になった。ユニ・チャームだけでなく、エーザイ、JFE、それぞれ、SECIモデルを核にした新しい組織作りに取り組んでいる。」
ペアプログラミングについても、
「プログラミングという活動を、マニュアルに書くことができますか?出来ない。ITも使う。けど、共感も使う。その場で、会話と感情、全身で伝える。これは、近代的徒弟制度だ。」
パターンランゲージについて、
「アレグザンダーの手法について、いま、とても注目している。まちづくりの最初は、対話から。作り手のカタログではなく、そこに住む人との対話を発生させる装置と、その場をつくるリーダー。文脈が、意味を生成して構造にしていく。それを、コレクティブ(集合的)にやる。」
AgileJapan2012 も期待しているよ!ということで、お弁当を食べながらの一時間の時間はあっという間に過ぎてしまいました。そして、
で、本はいつできるんだい?
はい!しっかり巻き込まれましたよ。
「スクラム、そして、アジャイル。~日本が取り戻すソフトウェア開発手法はここにある」、書きます。