朝会(デイリー・スクラム、スタンドアップ・ミーティング)
アジャイル開発では、チームの状況を共有するミーティングを毎朝行う。これを、デイリー・スクラム、と呼ぶ。短時間で立ったまま行うことを習慣化することが多く、スタンドアップ・ミーティング、と呼ぶこともある。(※前者はスクラム、後者はXPからの用語)
チームは、現在のプロジェクトの状況を壁を使って見える化し、チームで共有する。現在の状況を示すタスクボードや、かんばん、バーンダウンチャート(進捗を示すグラフ)、そのほかの貼り物をする。このような場所で行うと、朝会の伝達効率がいい。
各自が短く次のこと(3つ)を報告する。
- 昨日やったこと
- 今日やること
- 障害となっていること
アジャイル開発では、コードを継続的にインテグレーション(結合)して常にテストが通る状態に保つ。同様に、毎朝、チーム自身もインテグレーションし、みんなの頭の中と行動を結合し、最新の動ける状態に保つ。
日本では、朝会、と言う言葉がよく使われる。たったままやるので「たちっぱ」という言葉で呼ぶチームもある。ぼくも「プロジェクトファシリテーション実践編:朝会ガイド」という、この朝会ミーティングの司会の仕方をずいぶん昔に書いている。定位置、定時刻、短時間、で行うようにして習慣化する(自然と『そろそろ朝会の時間だね』という言葉が出てくるとよい)。話す内容には、上記のほかに、例えば、「今日は子供を向えにいかないといけないので、5時で帰ります」というような連絡もここでする。チームは自分の仕事に透明性を持って参加することが重要。
この朝会を、文書による進捗報告で代用できる、と考えてはいけない。この場で起こるちょっとした質問と回答で、ある人が大きな問題だと思っていたことが解決することがある。それに、プロジェクトの雰囲気が協調的になり、誰か一人が困っている、という状況を救うことができる。みんなが、ひとりぼっちで、与えられた仕事をこなすためにプロジェクトに参加しているんじゃなくて、共通のゴールに向かって何かを一緒に産み出していく感じ。
もしかしたら、朝全員の顔を見ること、そして、「おはようございます」で始まり、「今日もよろしくお願いします」で終わる気持ちのよいミーティングを持つ、ということは、チームでする仕事の基本なんじゃないだろうか。と思っている。
以下、参考になる参照など。
- 朝会のパターン:立ってるだけじゃないよ(Martin Fowlerのblikiをkdmsnrが訳した)
- 「プロジェクトファシリテーション実践編:朝会ガイド」(オブジェクト倶楽部, 平鍋)
- 朝会を実践してみて(プログラマの思索)
- 朝会のアンチパターン(気楽に生こうか)
- 朝会のススメ(オブラブ、天野) -- 朝会ビデオの脚本
- 会社を楽しくするために「朝会」で実践してみたコト(Lancers社長日記)