AgileJapan2010 の感想報告 (その1)
AgileJapan2010 についてです。とても充実した二日間で、頭の中が一杯になり、なかなかブログを書き出すことができませんでした。。。
まず、なんといっても野中先生の公演がめちゃくちゃ響きました。本編についてはすぐに後に書きます。今日は、裏話を先に。
野中先生には、「リーン開発の本質」を訳したときにぼくが日経BPの編集者(高畠さん)を通じて献本をお送りしました。そのときに丁寧なお返事を頂いたのがきっかけで、いつか、アジャイル関係のカンファレンスでお話していただきたいと思っていました。本家のAgile2009にも、先生のPhronetic Leadershipを紹介するサブミッションを書いたりしました。
今回、富士通の宮田さんのご紹介で、実際に野中先生をたずね、お話をお願いしました。
今なぜ先生の発見した手法がソフトウェア開発で注目されているか、日本の現在のソフトウェア開発をもっとクリエイティブにしたい、海外の様子、そんなことをお伝えして、なんとかOKを頂きました。
また、直前の4/5月曜日に、再度お話に行き、スクラムの採用が増えていること、海外の本でのスクラムの引用のされ方、などをお話しましたところ、非常に乗り気になっていただき、逆に質問を受けました。そのときに、「どのような人が聞きにくるのか?」、「デベロパー(開発者)が中心ですが、ミドルの管理者も参加します。」というようなやり取りをしたことを覚えています。
先生のお話の主題は、
形式知と暗黙知のスパイラル・アップ。形式知だけが知ではない。暗黙知が先にある。もともと、主観がなければ客観はない。先に思いがなければ知はそもそもできない。主観から客観が得られるのであって、決して客観からは主観は作れないのです。だから、信念、何がしたいかということ(belief)が一番大事なんだよ、みなさん。
ということ。これを伝えるために、講演の中で、
だから皆さんのようなデベロッパーは、行動の只中で考えないといけないのです。Contemplation in Action です。知的体育会系でなくてはならないのです。
さらに、「ミドル・アップ・ダウン。ミドルマネジメントがこれをやらないといけないんです」という、日本の管理者への応援があったのを覚えていますか?
ぼくは、野中先生が、「ぼくはまったくソフトウェアは門外漢だから」といいながら、自らが、デベロッパーとミドルマネジメント、そして今行動を必要とされているソフトウェア開発、というぼくたちの文脈まで降りてきて、このお話をされたことに、感動して、ほとんど泣いてしまうような状態でした。そして、
だから、体験せよ!考えよ!行動せよ!」なんだよ。
と繰り返してくれた。とてもうれしかった瞬間でした。
いかん、、、、このブログは会場にいた人にしかわからないような、文脈性の高い文章になってしまいました。この後、すぐに、客観的な文章でお伝えしたいと思います。
この熱気は、twitter で、#aj10 ハッシュタグでリアルタイムで流れました。ここに集めたものがあります。会場にいた人はこれを見ると思い出せると思います。いなかった人は、熱気のほんのちょっとだけでも感じてください。