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ソフトウェア技術者のための英語(7: Nice)

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日本語でも日常的にカタカナ使われる単語、というのは、時として外国人に通じにくいことがある。日本語の用法に慣れてしまっていて、それが英語の本来の意味からずれているからだ。

例えば、ナイス(nice)という言葉がある。おおむね、「素敵」、「いいね」、という日本語感覚で使ってよいが、nice の本当のコアは、ここではない。例えば、次の英語を日本語で訳せるだろうか。

"I like Fukui, because people are nice."

人々がナイスだから、福井(平鍋の故郷)が好きだ。ということなのだが、この文章が腑に落ちたときに、nice の意味が獲得できる。この nice は、人が「優しい」さらには、「気持ちよく人に接する」という意味で、nice の中核に触れている。最近の日本語だと、(人が)「感じいい」という言葉がぴったりくる。

この nice に最初触れたとき、日本語のナイス、とは違うところに中核がある概念だと感じた。上記の例文は、「なぜ、あなたは福井がすきなのですか?田舎ですよね?」という質問に、福井に来ていた米国人が答えた文章だ。田舎の人々は、ナイスなのだ。困っていたら助けてくれる。挨拶をする。感じがいい。この出来事以降、"People are nice"という言い方は、故郷や旅先の土地に関して、ぼくがよく使う文章だ。

もう一つ、このナイスの中核概念をぼくが決定的に獲得したのは、映画「ア・フュー・グッドメン」の中で、このような文脈で使われたときだ。

トム・クルーズが軍の司令官ジャック・ニコルソンに会見する場面、トム・クルーズは、ちょっと、カジュアルに失礼な言い方でジャック・ニコルソンにある依頼をするが、これに、少々気分を害するジャック・ニコルソンが、返事をした後、おどしをかける。その言い方が、いやみっぽく、すごみがあってよい。

"You got to ask me nicely."

「ぼうや、言いたいことは分かったが、今後は、もっとナイスに私にお願いするんだぞ。」これは、おまえの言い方は気分が良くない、ということを逆の言い方で言っている。

「ナイス」の中核概念は、「気持ちよい、相手を気持ちよくさせる」だ。これは、nice to meet you にも当てはまる。あなたにあえて、気持ちがよい。こう考えると、漠然としていたナイス、が英語ではかなりはっきりとした意味だと分かるだろう。

そういえば、思い出した。

RubyKaigi は毎年すごい質のイベントになっている。私も RubyKaigi2009 のいくつか録画を見た。Ruby 界隈での言い方の1つに、

"Maz is nice, so we are nice"

というのがある。Rubyコミュニティは、nice だ、ということ。これも推して知るべし。傲慢でない、独裁でない、人を気持ちよくさせる、という意味だ。この感覚。傲慢でない。人に優しい。

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