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アジャイルに行こう!

TPS(トヨタ生産方式)をソフトウェア開発に取り入れるときの最大の注意点

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「リーンソフトウエア開発第二版」からの気づきと引用シリーズです。

現在、日本でも多くの企業がTPS(トヨタ生産方式)を企業活動に取り入れようとしています。このムーブメントがアジャイル開発と結びつき、現場を活性化し、デスマーチをはじめとする現場の問題と、品質に関する社会問題を解決できるといい、と心から思っています。

ただし、ひとつ警鐘を鳴らしたいと思います。強いトップダウンオンリーでこの改革を現場に持ち込まないこと。そして、マネジメントは、本当に現場の人間の力を信じること。理想論ではなく。

以下、引用になりますが、

リーンを成功させるには、作業を行っているその人、本人が、その作業のやり方を最もよく知っているのだ、という基本信念を、あなた自身の人に関する考え方に取り込まなくてはならない。プロセスから人を排除したり、作業に必要なスキルレベルを下げたりする自動化には、注意が必要だ。現場での意思決定に、何度もの承認が必要となるなら、それをおかしいと思わなくてはならない。問題を解決するには、本当に、作業を行う人たち自身に、トレーニングを行ったり、ツールや権限を与えたり、支援をしたりして、自らの問題を解決し、プロセスを改善できるようにするのが最善の手法だということを心から信じなくてはならない

これまでも、多くの改革や標準化が、大きな組織では行われてきたのだと思う。現場が「またか」という反応にならないよう、現場から、問題解決への提案がでるように、人を心から信じるリーダーシップが、今こそ必要なのだと思う。

TPSのTは、Thinking の T だ、とも言われている。人から「考える」行為をなくしてしまう方向ではなく、人の「考える」行為を引き出す、生産的な現場にしていきたい、という思いをもって、この活動を推進していこう。

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