oblove2007xmas オブジェクト倶楽部クリスマスイベント2007
今年も盛況に開催することができました、ご参加のみなさんありがとうございました。
http://www.objectclub.jp/event/2007christmas
私は、「リーンソフトウェア開発第二版」の出版を踏まえて、天野勝さんと一緒に、アジャイル、TPS、そしてオブジェクト指向のコンテンポラリーな意味について話をしました。資料はこちらです。
平鍋:
http://www.objectclub.jp/download/files/event/2007christmas/hiranabe.pdf
天野:
http://www.objectclub.jp/download/files/event/2007christmas/amano.pdf
ラストの平鍋の「オブジェクト指向の再定義」は、以前書いたテスト容易性と変更容易性でオブジェクト指向を再定義する、という以下のエントリと同じ主張です。
テストしやすいことが良い設計:、EoTとユニットテスト:、変更しやすいことが良い設計:
さて、主賓講演として、今年は酒匂さんに形式手法について話をしてもらいました。中で、形式手法の目的の1つを「人がコミュニケーションの質を上げるため」としていたのがとても印象的でした。どうしてもマシンリーダブルなものを書いている、という先入観があったためです。そうではなくて、曖昧性を下げることが目的であり、仕様を書くのであれば、書いたものを髄まで利用したい、といういう考えなのですね。また、仕様を書いた人と読む人、という対決ではなく、仕問題対私たち、に触れられていたのも記憶に残りました。
オージス総研の「オブジェクトの広場」は、ぼくが育ったコミュニティーでもあり、今回参加してもらったことはとても意味があると思います。「OO厨厨トレイン」と題して、過去から未来へとOOの列車を走らせてくれました。(ひとつ付け加えて欲しいエピソードは、Kent Beck の Ruby についてのコメント -- Smalltalkが広く使われるとよい、とずっと思っていたが、ついにそうなったときの名前は、Rubyだった -- です。)
そして毎年恒例の、ライトニングトークス(LT)。今年は応募者が多く、落選した人たちでリジェクトトークス(RT)が開かれるほど(LTとRTは、左と右で美味しい名前ですね)。LTの優勝者は、なんと、独立行政法人情報処理推進機ソフトウェアエンジニアリングセンター、という長い名前のおかたい組織からこられた、渡辺のぼるさんでした。資料はそのうち公開される(されない?)と思いますが、ツンデレの面白いトークでした。仕込みとトークのうまさは、業界No1とのうわさです。
個人的には、佐々木智子さんのトークがよかった。自社のJavaフレームワークの紹介でしたが、「このフレームワークのおかげで早く帰れて子供が喜ぶ」という風景を提示(by やっとむ)してくれました。これは、働く女性というコンテキストから、エンジニアとして働く、ということの意味、へと等しく延長できるものだと感じました。(佐々木さんの名前呼び違えてごめんなさい)。
そして、ワールドカフェ。オブジェクト倶楽部では、この形式のコミュニケーションもおなじみになりました。数人でテーブルを囲み、大切なことをカジュアルに議論します。ぼくのテーブルでは、「何がアジャイルの導入を阻んでいるか」、「ITを夢のある仕事にするために」、というテーマで熱く語りました。
会の後は、PFPの宴、というまったく別の会が偶然同じ会場で、宴会を開催していましたので、ほとんどの方がそちらに流れたようです。。。(幹事ありがとう!)
やっぱり、業界を支えているのはエンジニアであり、もっと技術力を上げ、誇りを持ち、元気になってほしい。たとえばこんな場所で情報交換しなが得た気づきを、自分の会社に持って帰ってまたフィードバックをして欲しいな、と思います。リジェクトトークスでの、小島さんのお話と、それを代弁してくれた串田さんに感謝します。
この会のブログは、ここに集まっています。つづきはこちらへどうぞ。http://www.objectclub.jp/event/2007christmas/trackbacks/