x-dev で茂木さんと対談しました。
ぼくが株式会社チェンジビジョンを作ったときの夢は、「茂木さんのプロフェッショナルに呼ばれる」です。今日はその半分くらいが叶った気がした日でした。(写真は対談後、東京ドームホテル5F控え室にて)
ぼくは、台風のお陰でタクシーにて10分遅れで会場に到着、なんと茂木さんをお待たせしてしまい、汗だくで走ってマラソン選手のように登場。そのまま、茂木さんのマシンガントークに押されながらも、応戦しました。普段の対談では、だいたいぼくはしゃべり負けないのですが、今回は7:3でしゃべり負けました!でも、茂木さんにWeb2.0的なものとはちがう、日本のソフトウェア開発業界もわかって頂けた気がしましたし、その上で、勇気をもらえる発言を引き出せたので、よかったと思います。
到着したとき、茂木さんは、「創造性=体験×情熱意欲」という話をされていました。この部分はぼくは聞いていないのですが、「体験」の部分がさすが、茂木さん!と思えました。ここに、通常「理論」や「学習」、あるいは似た語として「経験」と入れそうなのですが、もっともなまなましい身体性を持つ「体験」という(クオリア的な!?)言葉があって、映える図式に見えました。他にも、
- ビジョンと苦労あっての成功が、脳の報酬。
- 問題を抱え込まない、という倫理観。
- サステナビリティ重要。トヨタは、エコカーによって「ブランド・ロンダリング」した。
- 許可なくてもやってしまうこと。(許可を求めると時間がかかる)
- 技術への誇り。(自分への誇り)
- 楽しむこと重要。
- 多様性重要。
などなど、とても示唆に富んだ指摘をもらえた気がします。茂木さんのトークの過激さにつられて、「日本からもイノベーションを!」的な主張が多くなりましたが、1つ後悔があるとすると、現在、多くのエンジニアが働きがい、としている(するべきだ、とぼくが思っている)、「お客さんとものを作る喜び、いい仕事をし、共に成果を共有する喜び」、について、静かに言及したかったかな。
ぼくは、冒頭に書いた、「茂木さんの番組に出たい」というとても具体的な目標の一片をもっていました。昨日のイベントでの対談は、日経BPの真島さんとのお付き合いがあって成立したのですが、真島さんは、そのことを知っていたはずはありません。偶然なのですが、これは、いわゆるセレンディピティというもので、人間というかこの世の中がもっている秘密なんだと思います。計画はできないが、なんかの拍子に、呼び寄せられる運みたいなもの。
何かを思うことの強さが、未来のあり方を変えることができる。
そんな気持ちを強くした対談でした。偶然ではないと思うのです。思うこと、重要。
最後の写真は、対談が終わってその場に現れた、Rubyの父、まつもとゆきひろさんと3人で。すぐ近くに坂村健さんがおられたので、4人で写真をとれたら、「フォーカード」みたいに強い役の写真になったのに!と悔やまれます。
この後、急いで福井に帰って、永和システムマネジメントの事業部キックオフに参加しました。
台風があったお陰で(!?)とても印象深い一日になりました。朝、とてもばたばたして多くの方にご心配をおかけしました(タクシーの運ちゃん含む)、本当にありがとうございました!
内容については、とてもうまくまとまった記事がありますので、こちらを。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070907/281487/
※9/10追記
創造性=体験×情熱、と書きましたが、情熱でなく「意欲」が茂木さんの言葉でした。また、この対談の記録をマインドマップにしたサイトを発見しましたので、リンクさせて頂きます。他のセッションの記録もあります。
「ヨタの日々」 XDev 2007
http://www.area51.gr.jp/~rin/diary/?date=20070907#p04