Product = Team(製品づくりはチームづくり) -- Jim McCarthy at SDBP2007
ボストンにて開催中の、SDBP 2007 にきています。昨日の基調講演は、「ソフトウェア開発のダイナミズム」(原著Dynamics of Software Development)で有名な、Jim McCarthy です。いつか見てみたい人だったので、偶然この機会に出会えてとてもうれしい。
彼のポイントは、「製品作りはチーム作りと同義である」ということ。製品は良いチームから生まれるし、悪いるいチームからは悪い製品しか生まれない(それぞれ、逆も真)。ビジョンを共有したチーム、の強さ、人のパワーについて、アクションを交えた語り口のとてもおもしろい講演でした。
講演中、会場を交えてこんな実験を。
- 「ビジョンを共有し、情熱あふれるチームに参加した経験がある人は起立してください。」
⇒約8割が起立。 - 次に、「そのチームにいるとき、ビジョンを共有ていしないチームにいるときよりも、2倍よかった、と思う人はそのまま立っていて。そう思わない人は座る」。
⇒ほとんどの人がそのまま立っている。 - 「5倍よかった、と思う人そのまま立っていて。」
⇒少々座るが、かなり立ったまま。 - 「10倍よかった、と思う人そのまま立っていて。」
⇒少々座るが、かなり立ったまま。会場の約1/4 が立っている状態に。
彼はこの状態で、「10倍ですよ、みなさん、10倍。10倍違うという人がこれだけもいる状態なんです、ビジョンを共有したチーム、とは。ビジョンを共有したチームが作れれば、10倍良い、という状態の個人がこんな割合で表れるんです…」。
とても説得力がありました。ぼくも常々、よいチームを作るには、ということを考えている積もりでしたが、こんなに強く、そのことを考えている人がいるんですね。
彼は、個人個人がこう心がけて、ソフトウェアの未来に参加していこう、と "The Core Protocol V.3.0.1" を提唱しています。これは、11個のコミットメント、11個のプロトコルが書かれた11ページの文書です。
http://www.mccarthyshow.com/Portals/11/docs/TheCoreV3.pdf
例えば、11個のコミットメントには、こんなものが含まれます。
- 場にいるときは、参加せよ。(1)欲しいこと、(2)思うこと、(3)感じること、を話せ。そして、よい協力者を探せ。
- 難しい仕事は、チームを作ってやれ
- "努力に対する成果比"が向上するときは必ず、口を開け。(後は必ず黙れ)
- 必ずいつかはやらなければならないことと、今やるのが最も効果的なこと、のみやれ。
など。何かを作っていく人、何かを成し遂げる人、としてこう考て行動しよう、という約束が書かれている。とても強い言葉たちでした。
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SDBP は続きます。明日は、Scott Ambler の基調講演です。TRICHORDの展示も、明日からはじまりますよ。