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アジャイルに行こう!

Agile2007 Wednesday

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Mary Poppendieckのリーダーシップについてのセッションは、立ち見(というか地べた座り)で満席。とくに、TPSとアジャイルの中から、「人」についての共通の考えを導き出しています。

「標準化」とはなにか。Mary は「現場の経営」(大野耐一の唯二の著書の1つで、最近英訳された)から、以下を引用し、いま、ソフウェア業界、多くの大企業で行われている間違った標準化について、指摘しました。

標準は、カイゼンの最初のベースラインというだけで、変えることが前提なんだ、そして、それはかならず現場で書く。

現在のソフトウェア業界で、いかに多くの「標準」というものが、現場から離れて書かれており、かつ、変えるのが困難か。作るのに1・2ヶ月もかかったら、それはもうダメだ。他人が机の上でつくった標準ではなく、「自分たちが作った標準」でなければ、カイゼンのモチベーションはうまれない。こういう、「あたりまえのこと」を、ソフトウェアでいかにできていないか、というこを痛感する。

There is something called standard work, but standards should be changed constantly. Instead, if you think of the standard as the best you can do, it’s all over. The standard work is only a baseline for doing further Kaizen....(中略) Standards are set arbitrarily by humans, so how can they not change? You should not create these away from the job. See what is happening on the gemba and write it down.

会場は、拍手喝采だった。目から鱗の引用。

ぼくは、この指摘を、ソフトウェア業界で、日本からできず、彼女にされていることを、はずかしく思う。しかしそれでも、この指摘をちゃんと受け入れる土壌がアメリカにあり、それがAgileと呼ばれていることに敬意を表したいし、彼女がTPSとAgileに関して行っている仕事を、なんとか、日本でも広めたい、という強いミッションを持った。彼女の資料は、ここから手に入る。

http://www.poppendieck.com/pdfs/Leadership.pdf

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