Java から Ruby へ
遅ればせながら、話題になっている、かくたにさんが訳している、Bruce Tate の本「JavaからRubyへ」を読んだ。
http://www.amazon.co.jp/JavaからRubyへ-―マネージャのための実践移行ガイド-Bruce-Tate/dp/4873113202
ぼく自身は、スクリプト言語好きなのだが、Rubyをほんの少ししか書いたことがない。でも、直感的にはかなり好きだと思う。closure みたいなものにびびっと来た時期もある。(後で気づいたのだが、ぼくは1998年にRubyのメーリングリストに短いプログラムを投稿していたりする。それに高橋さんがコメントをくれていたりもする。そしてその投稿は、matzが本を書くためにスクリプトを募集したものだったことが、今調べていて判明。このスクリプトは結局本には載らなかったのだろうと思うが。。。。
http://blade.nagaokaut.ac.jp/cgi-bin/scat.rb/ruby/ruby-list/6497)
当時、PerlやawkみたいにOne-Liner をさくっと書けるところから、本格的にオブジェクト指向で書けるところまで、懐の深さがいいと思ったのだろう。かくたにさんはこのあたりをもっと現代的に表現していて、Rubyは手続的、オブジェクト指向、メタプログラミング、DSLという4つの各レベルでそれぞれに手になじむ、というか、高い学習曲線追従性を指摘していたと思う。
さて、この本だが、感想は、一言でいうと、
びっくりすることに、Ruby好きが書いた本には見えない。上記のような言語の言語としての良さとか美意識に関することはほとんど書かれていない。むしろ、ストイックに、外的環境の変化やプロジェクト遂行のための観点から、今ビジネスアプリケーションでJavaを使い続けるリスクが高くなっていることを、マネジャの言葉で、せっせと証拠あつめというか、理論武装をしているのだ。
そして、それをかくたにさんが訳していることにも、もう一度びっくりする。
これだけで、本当にビジネスアプリケーションでもRubyの時代が来る、という可能性側に加担したくなる。
サポートページ:
http://kakutani.com/wiki/articles/?FromJavaToRuby
ところで、まつもとさんもリーク(?)しているが、まつもとさんとかくたにさんと、平鍋の三人で、『Ruby×アジャイル』という対談をやった。これは、なぜ、今Rubyか、なぜ、今Agileか、ということを3時間に渡って各々が語った映像(!)を、日本語テキスト、英語テキスト、日本語動画+英語テロップ、という形で世界発信してしまおう、というプロジェクト。そのテーマは、ぼく的には(他のお2人は、これと直行する視点を展開すると思う)、
Business-Process-Framework-Language, instanciated as,
Web2.0-Agile-Rails-Ruby
ということで、柔らかい言語と柔らかい開発アプローチが、戦略的ビジネスを支援しやすい、ということ。ここに一本通っているもの、を指摘したい。
今まだビデオのポストプロダクションの中に。。。。5月中には公開します。お待ちください。。。