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最近読んだ本「ピエタ」と私の「四季」

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2011年2月の初版だからもう2年以上前の本だが、最近人に紹介されて読んだ。大島真寿美さんの作品。ポプラ社、1500円。

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ピエタとはベネチアにあった孤児を助ける慈善院、そこにアントニオ・ビバルディが司祭兼音楽教師としていた。63際でビバルディはウイーンで客死するのだが、そこから物語が始まる。主人公のエミーリアがビバルディが楽譜の裏に残したという謎のメモを探すところから、巧みな表現もあって読者は1700年代のベネチアに突然紛れ込んだ感覚になる。エミーリアは謎の娼婦クラウディアに行き着く・・・

結末もさわやかに幸せな気持ちで終われる。気持ちのよい良質のミステリー。期待していた音楽的な話はほとんどないが、物語の背後にはつねにビバルディのバイオリンが鳴っている。

ところで、自分は今ビバルディの「四季」をバイオリンの個人レッスンで勉強している。4月に春を始めて、6月にようやく夏になった。なんとか実際の季節に合わせて今年中に四季が終わることを願っている。ビバルディは大量のバイオリン曲を残しているが、その多くはこのピエタ音楽院のために書かれたものだ。今でもバイオリンを勉強する子どもたちは彼の曲をいくつも勉強することになる。ビバルディはバイオリン協奏曲というジャンルを大きく開拓した作曲家だ。それぞれの曲は音楽として革命的な名品揃いだが同時に子どもたちが勉強する曲としても極めて優れている。「四季」も初心者からプロまでそれぞれの力量で楽しめるように書かれている。300年前の曲を今でも、これからも多くの人を癒し、楽しませるというのは本当に奇跡としか言えない。

もちろん、私の「四季」は奇跡でもなんでもないけどね。

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