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デジタルコンテンツ流通の潮流を見据えて

DRM進化論第二章の始まり、SocialDRMとは。

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音楽業界はDRMフリーへと向かう傾向にあるが、実際にはSocialDRMへ向かいつつあると言った方が正確だ。完全に生のファイルをダウンロード販売するというのはビジネスとして考えにくく、何らかのマーキングがされたファイルをダウンロードさせている。出版界ではまだ例が少ないが、有名なところでは「ハリー・ポッター」の電子書籍が、作者J・K・ローリング氏の直販サイトで売り出された。この販売について、作者自身が出版社を介さず直接販売することのほかに、従来のDRMを用いずに購入者を特定する情報をVisibleまたはInvisibleにファイルに埋め込んでいることが話題になった。音楽にしても出版物にしても、ユーザーの利便性を担保しながらユーザーによる不正利用を抑止しようというDRMの一つの形だ。SocialDRMは昔から概念としてはあったが、実際のサービスとして利用されるようになったのは最近のこと。

アイドックはこのニーズに応えてbookend(ブックエンド)のオプションとしてSocialDRM機能をリリースした。SocialDRMを使うことでユーザーの利便性を失うことなく、流通過程での不正利用を抑止することができる。SocialDRMとはコンテンツに暗号を施すのではなく、ユーザーを特定できる情報を透かしとしてファイルに埋め込んで配信する。デジタルコンテンツ・ビジネスの発展とともにDRMへの要請も大きく変わって来た。デジタルならではの利便性を活かしたサービスを行おうとするとDRMもこれまでとは違ったものが期待される。bookendではコンテンツオーナーや配信事業者がSocialDRMを選択できるようになった。

万が一そのファイルがファイル共有サイトに投稿されたり、不正な利用がされた場合にはツールを使いそのファイルのオリジナルがいつ誰にどのように配信されたものかを特定することができる。目的はこうして犯人探しをすることではなく、ユーザーがこうした不正行為をしないように抑止する効果を狙ったもの。自分の情報が入ったファイルをそうした場所に投稿したり不特定の人に配布したりするのは稀だ。

SocialDRMフラグがONになっているコンテンツは通常のbookendコンテンツと同様に配信して、ユーザーがブックエンドアプリの中から外に出すことができる。外に出されたコンテンツは通常のPDFやEPUBファイルと同様に扱うことができる。出版社、配信事業者が配信時にSocialDRMを選択できる。

HPでの紹介は今準備中ですしばらくお待ちください。

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