デジタルパブリッシングフェアー最終日報告
いつもブックフェアーの最終日は多くの人で賑わう。特に出版社のエリアでは本のディスカウントセールも行われて近くに寄れないブースもある。手塚プロダクションでは作品を様々な形でPCや携帯端末へ積極的に提供していた。
今日は出版の世界でユニークなビジネスを展開しているパンローリングを紹介する。写真は月光仮面の復刻本である。このように昔懐かしいコンテンツを丁寧に復刻して比較的高い価格で安定的に販売している。またウォーレン・バフェットなどの人気投資家の著作など投資関連の書籍にも力を入れている。そしてこうした書籍の電子化もKeyringPDFを使って行っている。
今回大変興味を持ったのがパンローリングが始めたオーディオブックのビジネスだ。以前からのCDによる販売に加えてPlay Walkという携帯音声プレイヤーによるコンテンツ販売に挑戦している。私は知らなかったのだが、欧米ではすでに人気のある商品形態だそうだ。米国アマゾンで検索してみると4,348のタイトルがあった。パンローリングでは特注の簡易音声プレイヤーに様々なコンテンツを録音して販売している。私などはCDまたはネットからダウンロードしてiPodなどで聞くという形をすぐに考えてしまうが、これは駅や空港などで移動中に読む本を買うのと同じ感じで録音されていてすぐに聞くことの出来る形で提供するものだ。キオスクなどで読みたい本を見つけて買ってすぐに読むという行動をオーディオブックに適用したものだ。ハードウェアのコストは1000円程度でそれにコンテンツに応じて2−3千円が上乗せされる。旅行中に読み捨てる文庫本などに比べて安いものではないが、タイトルに惹かれれば買う人もいるだろう。聞き終わった後はそのままにしてもいいし、人に譲ってもいい。
デジタルコンテンツの売り方として面白い。パンローリングでは出版社にコンテンツの提供を積極的に依頼している。私がこの販売方法に興味を持ったのは、今後普及してくる電子ペーパー読書端末でも同様のコンテンツ販売の方法がとれると思うからだ。実際ヨーロッパでは電子ペーパー端末と二年分の新聞購読料をバンドルして売る形が広まっている。音声プレイヤーに比べてハードウェアが高価なため、手軽に買う商品にはならないが、コンテンツ次第では面白いビジネスができる。
最後にアイドックのブースの打ち上げ写真でデジタルパブリッシングフェアーからの報告を終わる。
なるい