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人はなにで判断されるのか?

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メリルストリープ主演の映画、「マーガレット サッチャー」の中で面白いシーンがあります。サッチャーの演説シーンをビデオで見ながら、反省会をしているシーンですが、ブレーン達に声の出し方と服装についてダメ出しをされます。
 
まず、声は甲高く重みがない、と。
かみつくような声は嫌われるので、もっとリーダーとしての重みを出せとダメ出しされます。
 
そして、洋服は保守的で裕福な主婦にウケる服装だが、その層はもう取りこめているから、服装を変えて他の層にアピールすべきだ、と。また、リーダーとしてふさわしいと認められるような格好をすべきだと意見されます。
 
このダメ出しに対してサッチャーは反抗しますが、ブレーンの以下の言葉で気持ちを変えるのです。
 

「あなたはリーダーになるべき人です。リーダーになるためには、リーダーにふさわしいと皆に思ってもらわないといけません。私はルックスを変える話をしているが、中身はずっと今のままでいてください。それは何があっても変えてはいけないのです。」

 

(映画のなかでは)この発言でサッチャーはブレーン達に自分の改造を託すことを決意し、帽子をかぶるのをやめ、発声方法を学び始めます。

 

サッチャーの場合は、より多くの人に投票してもらうことが仕事の一つであるので一般人とは違う面もあるとは思います。ただ、人間は、同じ言葉であっても、それを伝える声と外見で全く違う受け止め方をされるものではないでしょうか。

例えば「バカ」という単語でも、優しく言われるのと、怒った声で言われるのとでは、全く意味が異なります。同じ人から聞く話でも、学生服を着ている人から言われるのと、スーツを着ている人から言われるのとでは受け止め方が異なってきます。

 

私がそれに気がついたのは社会人になってからでした。それまでは、服は自分の好きな服を着るという意識しかなく、みんなもそうだと思っていました。声の出し方も、アナウンサーじゃあるまいし、自分で声の出し方をコントロールするなんて思ってもいませんでした。

自分の上司であれば、毎日会って話し合うので、仕事内容も、どれだけ努力してるかも、性格も把握してくれています。けれど、お客さんの場合、数回会っただけで取引をするかどうかを判断してもらわないといけません。たった数時間しかないのです。そういう意味では、テレビで数分間話すだけで評価をされるサッチャーと同じだと思うのです。

取引するのにふさわしい人かどうかは、話の内容だけでなく声と外見でも評価されるのです。これは当たり前の話ではあるのですが、自分の声と外見に対して意見を言われる機会というのはあまりないかと思います。だからこそ、自分で意識をすることが大切だと考えます。

 

世の中のトップ営業マンの中には、もしかしたら声の出し方も練習している人もいるのではないでしょうか。

一度教えてもらいたいものです。

 

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