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急激な人口減少と少子高齢化が進む中での公共サービスの持続可能性

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厚生労働省が2月27日に発表した人口動態統計の速報値では、2023年に生まれた出生数は過去最少の75万8631人と深刻な状況となっています。

2023年出生数、最少75万人 人口減り幅も過去最大、厚労省(共同通信) - Yahoo!ニュース
 厚生労働省が27日に発表した人口動態統計の速報値(外国人らを含む)によると、2023年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は過去最少の75万8631人だった。初めて80万人を割った22年から5.1%減

こういった状況の中、内閣府は2024年2月22日、「デジタル行財政改革会議(第4回)」を開催しました。

今回はこの中から、急激な人口減少と少子高齢化が進む中での、公共サービスの持続可能性について取り上げたいと思います。

急激な人口減少/少子高齢化

日本は、既に2008年をピークに総人口の減少に直面しています。2050年には約10,469万人となり、ピーク時の2008年から約2,340万人減少する見込みです。

15歳から64歳までの人口である、生産年齢人口は、2022年の7,421万人から2050年には5,540万人と1,881万人の減少で25%減少しています。

長期的には人口減少に歯止めをかける取組が必要となる中、中期的に2050年などを見据えた場合、人口減少を所与とした対策が必要となっています。

出典:デジタル行財政改革会議(第4回) 2024.2

都市部では、生産年齢人口の減少が限定的な一方、高齢者人口は著しく増加しています。急増する高齢者に対応した公共サービスの構築が急務となっています。

一方、地方部では、生産年齢人口・高齢者人口ともに加速度的に減少。コミュニティの存続にも難しいケースも増えています。

出典:デジタル行財政改革会議(第4回) 2024.2

公共サービスの持続可能性への懸念

地方公共団体の職員数は、業務の効率化等によりピーク時から減少しています。デジタル化による更なる業務効率化も、3名以下の自治体が55%(1名以下の自治体は17%)であり、課題となっています。

出典:デジタル行財政改革会議(第4回) 2024.2

公共サービスの担い手不足も顕在化しています。

教育分野では、公立小学校の教員採用試験の受験者数・倍率がともに低下傾向にあります。

交通分野では、担い手の減少に加えて高齢化が進行。タクシー運転手の平均年齢は60.7歳と全産業平均を大幅に超過しています。

介護分野では、高齢化に伴う需要の急増により、今後20年間で約69万人の人材不足が生じる見通しです。

出典:デジタル行財政改革会議(第4回) 2024.2

自治体の人口規模が小さくなると、生活に必要なサービス施設が立地する確率が減少し、サービス産業の撤退につながりうるとしています。例えば、1万人を切ると、総合スーパー、病院、有料老人ホーム等が立地している確率が50%を切る、との見立てもあります。

出典:デジタル行財政改革会議(第4回) 2024.2

デジタル行財改革でこの課題に対応できるのか?

政府では、急激な人口減少社会に対応するため、利用者起点で行財政のあり方を見直し、デジタルを最大限に活用して公共サービス等の維持・強化と地域経済活性化を図り、社会変革を実現することが必要としています。

デジタル行財政改革の基本的考え方は以下のとおりです。

1.地域を支える公共サービスに関し、システムの統一・共通化等で現場負担を減らすとともに、
2.あわせて、デジタル活用を阻害している規制・制度の徹底的な見直しを進め、社会変革を起動 。
3.EBPMの手法も活用し、KPIや政策効果の「見える化」を進め、予算事業を不断に見直し、
これらによって、デジタルの力を活用して、豊かな社会・経済、持続可能な行財政基盤等を確立する。

これにより 、 一人ひとりの可能性を引き出し 、 新たな価値と多様な選択肢が生まれる豊かな社会、デジタルの恩恵がどこでも実感できる社会を目指していくとしています。

こういった政府の取り組みで、果たして急激な人口減少と少子高齢化が進む中、公共サービスは持続していけるのか、利用者視点でのデジタル行財政改革のさらなる取組が求められています。

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