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iPhoneアプリでフラッシュモブを

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ネットを介して不特定多数の人々が集まり、特定の(多くの場合無意味な)行動をごく短時間行って解散する「フラッシュモブ」。過去に数多くの有名な事例が存在していますが、新たにこんな試みが計画されているそうです:

GROUP

フラッシュモブというからには開催場所と日時が決まっているのですが、今回は場所がニューヨーク証券取引所前(地図)、日時が現地時間の6月21日午後12時45分(日本時間で6月22日午前1時45分)となっています。

で、集まって何をするのか。参加者に求められているのは、専用アプリをiPhone/iPod Touchにインストールし、当日朝に起動してスタートボタンを押し(当日にならないとスタートボタンは現れません)そのままの状態で会場に集まること。公式サイトの解説によれば、このアプリが行うのは単調な電子音を出すだけ(従ってヘッドホンなどを使わずに、音がスピーカーで流れる状態にしておく必要があります)。しかし会場に大勢の人々が集まることで、そこに荘厳な調べが出現すると。

当然ながら実際にイベントが行われるまではどのような事態になるかは分からないのですが、嬉しいことにイメージ映像が公開されています:

iPod Touchでも参加可能ということは、GPS等を使い、会場に近づくと音が変化するといった仕掛けではなさそうです(時間が決められているので、その時間に合わせて音を出す/変化させるといったコントロールを行えば良い話ですし)。ただしアプリを起動すると、プッシュ通信の許可を求められるので、予定時間が近くなると何らかの呼びかけは行われるかもしれません。

話は分かったけど、それのどこが楽しいの?という点ですが……うーん、フラッシュモブはもともと無意味な行動をして世間を驚かせようというのが目的ですし(その意味で「政治的な意図を持つものはフラッシュモブに含めてはいけない」という意見もあるとのこと)、今回の"GROUP"もそれが生み出すコンテンツそのものではなく、「音」を発する個人が集まり、集団として意味のある「音楽」を出現させるという行為自体に価値があると言えるのではないでしょうか。さらにその過程においてスマートフォンのアプリが活用されるということで、フラッシュモブに新たな側面を加えるものになるかもしれません。

そう考えると、今回は単に「音を出す」という機能だけでしたが、それ以外にも様々な機能を通じて新たな集団行動を生み出せるようになるのではないでしょうか。少し話は逸れますが、ユーザーに社会活動を促す/社会活動をサポートするアプリというものも生まれています。スマートフォンとアプリが生み出す集団行動、これからもう少し高度な方向に進んで行くかもしれません。

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