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株取引と Twitter

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先日 TechCrunch で取り上げられていた、NASDAQの iPhone アプリが面白いことをしているのでちょっとご紹介を:

NASDAQ Launches A Slick iPhone App Highlighting Tweets From StockTwits (TechCrunch)

残念ながらまだ日本版 TechCrunch には翻訳されていないのですが、ナスダック(NASDAQ)が提供している公式アプリを紹介している記事です。アプリの名前は"NASDAQ Portfolio Manager"(App Store へのリンク)。無料で提供されていて、文字通りナスダックに上場されている株式銘柄のデータを閲覧することができます。例えば以下は、Apple の画面を開いてみたところ:

NASDAQ_iPhone_1

高値と安値、取引高などなど、当然ながら基本的な情報が網羅されていますね。ちなみに iPhone を傾けると、画面下部にある株価のグラフが拡大表示されます。

で、面白いのはこちら。上のように個別の銘柄を選択し、画面を1枚スライドさせると、こんな画面になります:

NASDAQ_iPhone_2

これはどこかで見たような……そう、Twitter の書き込み(の中で Apple に触れているもの)を表示しているわけですね。実は株価に関するツイートを集約するサービス"StockTwits"と連動し、指定された銘柄の情報を表示してくれるようになっています。ちなみに以下は、StockTwits でAPPL(Apple のティッカー)を検索してみたところ:

stocktwits

ご覧のように、当然ですが同じツイートが表示されているのが分かります。これで株価を確認しながら、Twitter 上で何が噂されているかも確認することができる、と。Twitter が迅速にニュース(あるいは噂話)を伝える力を持っていることは既に実証されているわけですが、それを NASDAQ が自社のサービスの中で公式に取り込むとは。なかなか画期的なことではないでしょうか。

そういえば先日、こんなニュースもありました:

つぶやき発信、投資家獲得 カブコム、ツイッターで株情報 (Fuji Sankei Business i.)

「大引けなう。一時プラス圏に入るも結局小幅安に。日経平均」-。ネット証券大手のカブドットコム証券は、1回140字以内で「つぶやき」を投稿するミニブログ「ツイッター」で、個人投資家向けの情報サービスを始めた。同社のアナリストらがリアルタイムで市場動向を分析して情報を提供し、投資家の囲い込みを狙う。

カブドットコム証券(@kabucom)の Twitter 活用について。既にフォローされていて、その証券会社らしからぬ(?)ユニークなつぶやきを楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。このように、日本でも「株価と Twitter」という事例が登場し始めているのですが、

ただ、ほかの大手ネット証券の間では追随の動きは見られず、「(インサイダー情報など)不用意な投稿をしないようコンプライアンス面の整備が大変」「(アナリストがいない社にとっては)結局新サービスの宣伝くらいの用途しかなく、従来のホームページと変わらない」との声が大勢を占める。

外国為替証拠金取引(FX)を扱う一部の業者も同様のサービスをしているが、「投資成績向上や(会社の)業績に結びつくか疑問」(大手ネット証券)との見方もある。

とのこと。やはり海のものとも山のものともつかぬツールを使い始めるというのは、なかなか敷居が高いようです。

しかし NASDAQ のアプリが示しているように、株取引の世界でもTwitter の存在感が増してくるのは確実でしょう。NASDAQ のようにそれをダイレクトに取り込むという方法や、あるいはフィルタリングして「~という噂が飛び交っているようだが事実無根の可能性が高い」などといったコメントを付ける方法など、様々な活用法が考えられると思います。日本でも証券会社が「当社の公式 Twitter は……」などと宣伝するのが当たり前になる日がやってくるかもしれませんね。

【宣伝】

はい、しつこいですが宣伝宣伝。いよいよ来週発売になります!皆さまよろしくお願い致します。

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